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地域で活躍するプロを招いて授業ー越生高校

機材を使い写真撮影に挑戦

 地域で活躍するプロたちを招き、人生を切り開く切っかけをつかんでもらおうと、県立越生高校(吉沢修校長)は、普通科の1年生を対象に通年企画「9限目の授業」をスタートした。新たな試みは、学習指導要領の改訂で本年度導入された「総合的な探究の時間」として実施。授業では、滑川町のフォトグラファー戸井田夏子さん(41)が講師を務めた。

 

プロ用の機材を使い、戸井田夏子さん(左から3人目)のアドバイスを受けながら写真撮影に挑戦する生徒=6月30日、越生町西和田の県立越生高校

 

 企画名の「9限目」は、2桁の「10」を次のステップと考え、手前の時間との意味を込めて付けたという。同校で8年目を迎えた地理歴史科の岩崎望教諭(29)を中心に、ときがわ町にあるコンビニエンスストアのオーナーで地域コーディネーターとしても活動する岡野正一さん(46)らの協力を得て実現した。
 生徒たちはプロ用機材を使い、互いの良い部分を写真に収める課題に挑んだ。芸能人などの人物写真を手がけてきた戸井田さんは、相手が喜ぶ言葉をかけてシャッターを切るようアドバイス。「自分に自信を持てない生徒もいると聞くが、そのままで良いのだよ、とのメッセージを伝えたかった」と狙いを話す。
 授業の運営には3人の1年生も参加している。準備段階から関わった太田亜寿(あず)さん(15)は「一つの授業をつくるために、これほど手間と時間をかけているとは思わなかった」と言う。北村舞冬香(まどか)さん(15)は「大人と対等に話すのは初めての経験。自分の意見を伝えることの大切さを学んだ」と、成長の糧となった様子。石川陽菜(ひな)さん(15)は「いろいろな分野の人と交流し、違う価値観や心に響く言葉に触れられた」と喜ぶ。
 夏休みには、体験学習も計画する。岡野さんは「授業を通して学校と地域の間にある壁をなくせれば」と願う。岩崎教諭は「一歩を踏み出せない生徒が多いので、動けば楽しいことが待っていると知ってほしい」と期待した。

 

=埼玉新聞2022年7月8日付け11面掲載=

 

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