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埼玉栄&細田学園 2回戦敗退-全国高校バレー

 

埼玉栄(男子)

 

男子2回戦 鎮西―埼玉栄 第1セット、埼玉栄の工藤(2)島津(3)の2枚ブロックが破られる。(6)は島村

 

【戦評】埼玉栄は、鎮西のブロックを打ち崩せず、0―2のストレート負けした。第1セットは、相手の立ち上がりを攻めたが、徐々にサーブなどでミスが目立ち始めると高さのあるブロックを攻略できず、18―25で第1セットを失った。第2セットでは、相手エースの速いスパイクに苦戦。17―25で1セットも奪うことができなかった。

 

高き壁打ち崩せず

 鎮西の壁を乗り越えることは、またしても難しかった。男子の埼玉栄は2年ぶりに顔を合わせた鎮西
にストレート負けした。
 最後まで相手の堅守を打ち崩すことができなかった。土壇場の逆転劇で勝利した初戦の勢いそのままに第1セットの序盤こそリードするものの、徐々に歯車が狂い始めた。「勢いはあったけど、(相手の)きっちりとしたプレーに圧倒された」と高橋。
 サーブ、スパイクのミスでポイントを許し、流れを渡すと状
況が変化。高さのある相手の3枚ブロックが立ちふさがった。エース工藤や伊東、高橋のスパイカー陣
が果敢に攻撃を仕掛けるが、工藤は「ブロックの手の出し方に技術があった」と鎮西の壁を打ち抜けない。持ち味を生かせないまま、第1セットを奪われた。
 反撃を試みようと臨んだ第2セットは、相手の2年生エース舛本に強打を連発されてブロックやレシーブで防ぐことができなかった。
 今大会を含めて春高に10度出場。上位進出を果たすには、全国で指折りの強豪校を倒さないと道は開けない。伊藤監督は「エースが1枚だけでなく、2枚いないといけない」と悔やむ。
 主将の伊東は「エースの決め切る力が鎮西の強さの秘訣(ひけつ)」と肌身で実感した。ここでの経験を無駄にせずに1年後、再び全国の舞台に戻ってくることを期待したい。

 

大舞台で感謝表現

主将・伊東

 主将の伊東は最後まで諦めず、果敢に攻めた。だが、「小さなミスが出て巻き返された」と悔しさをにじませた。
 埼玉栄は、新型コロナウイルス感染防止のため、チーム練習が一時休止の時期もあった。だからこそ、伊東は「バレーボールができることに感謝するようになった」と一日一日を大事にするようになったという。

 そして、高校3年間の成果を大舞台で披露。「支えてくれた保護者にプレーで感謝の気持ちを伝えることができた」と力強く語った。 

 

 

細田学園(女子)

 

女子2回戦 就実―細田学園 第2セット、井上(3)と土橋がブロックで相手のスパイクを弾き、こぼれ球を拾う佐久間(右手前)ら細田学園の選手たち

 

【戦評】中盤以降で粘りを発揮できなかった女子の細田学園は0―2で就実に敗れた。第1セットはエース渡会がマークに合う中、井上、寺田、土橋が得点を積み上げた。好レシーブでラリーを制すなど主導権を握ったが、23―25で競り負けた。第2セットになるとミスが重なり6連続失点などと停滞。最後は16―25で引き離された。

 

攻撃力互角も経験の差

 初戦快勝の勢いをコートにぶつけた。女子の細田学園は、前年女王の就実を相手に金星こそ挙げられなかったが、攻撃バレーで真っ向勝負を演じた。伊藤監督は「勝負の分かれ目はディフェンス力。攻撃力では負けていなかった」と、選手たちの頑張りをたたえた。
 この日が初戦の就実の隙は第1セットにあった。口火を切ったのはライト寺田。長いラリーを制す強烈な一撃で流れを引き寄せた。相手のミスが続き4点先取で最高のスタートを切った。
 1回戦で活躍したエースの渡会が徹底マークに苦しむが、攻撃力に陰りはなかった。「よくブロックが見えていた」と寺田の強打が攻撃陣を引っ張った。ミドル井上のブロードも効果的だった。身長175㌢と高さのある井上は「広くコートを使おうと思った」。中央から右へ流れてのスパイクで攻撃を活性化した。
 攻守でミスがなく勝利への機運が高まったが、少しずつ相手の圧力に押し込まれた。打ち合いでは、一歩も引かなかったが「経験の差が出た」と指揮官。互角のプレーで競り合ったが、わずかに及ばず第1セットを落とした。すると、流れは一変。第2セットではミスが重なり6連続失点などで万事休した。
 全国でも戦えるアタッカー陣を擁したが、細田伝統のレシーブ力には課題を抱えた。それでも1、2年生が主力のチームに来年への期待は膨らむ。主将の伊藤は「次は勝ってセンターコートに行ってほしい」と晴れやかな顔で後輩たちに夢の続きを託した。

 

強烈なスパイク貴重な得点源

ライト寺田

 パワフルスパイカーのライト寺田が細田学園の勢いを加速させた。「ブロックが飛んでいる方を見てストレートを狙った」と、守備の逆を突き強打を打ち込んだ。
 「ブロックを吹き飛ばしたい」と意気込んだ春高で有言実行。全国トップのレシーブ力を誇る就実の選手たちからブロックアウトを連発した。レフト渡会、土橋にマークが集中する中で貴重な得点源となった。2年生サウスポーは「手応えはつかんだ。ディフェンスを安定させたい」と自信を深め、成長を誓った。

=埼玉新聞2022年1月7日付け15面掲載=

 

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