2026年6月5日配信
「改革を続ける学校」から「改革が根付く学校」へ
― 説明会で見えた学びの変化 ―

5月20日に行われた春日部共栄高校の塾対象説明会に参加してきました。
春日部共栄高校は、野球部や吹奏楽部など全国レベルの部活動でも知られ、「文武両道」の学校という印象を持つ人も多いと思います。
今回の学校説明会や授業見学を通して、同校が単なる進学校ではなく、「変化の激しい時代をどう生きるか」をかなり意識しながら学校づくりを進めている様子がうかがえました。

◆VUCA時代を見据えた学校づくり
近年、VUCA(ブーカ)という言葉が使われています。これは「先行きが不透明で、変化が激しく、正解が一つではない時代」を意味する言葉です。AIの進化や社会構造の変化によって、これまで当たり前だった知識や価値観が通用しなくなる時代の中で、「変化に応じて学び続けられる力」がより重要になっています。
そのような「学び続けることが必要な時代」に対応するために、同校では、“学び続けられる体制づくり”を強く意識しているようです。
その象徴とも言えるのが、「2学期制」「45分7限授業」「週5日制」という時間設計です。
一般的な学校では、定期テスト前になると授業進行が滞ります。しかし同校では、2学期制を採用することで定期テスト回数を減らし、授業の進度を確保できるようにしています。
その一方で、小テストや確認テストを細かく実施し、「テスト前だけ勉強する」のではなく、「普段から学ぶ」習慣を作ろうとしている点が印象的でした。“毎日少しずつ積み重ねる学習”にすることで、変化の激しい時代に大切な、学び続けるということを習慣化する工夫がされているように感じました。
また、45分7限授業によって集中力を維持しながら授業時数を確保し、週5日制によって部活動や自主学習との両立もしやすい環境を整えています。
こうした制度改革は、単なる時間割変更ではなく、「変化する社会の中でも、自分で学び続けられる人を育てる」という教育方針につながっています。

◆制度改革から学校文化へ
前述のような方針が強く打ち出され始めたのはここ数年とのことですが、今回授業見学をしていて感じたのは、それが少しずつ学校文化として定着してきているのではないか、ということでした。
その流れを象徴する存在の一つが、「東大選抜コース」です。このコースは現在の高校1年生で募集2期目となり、現在は1年生、2年生ともに26人が在籍しています。まだ新しい取り組みではありますが、「本気で難関大学を目指す学校へ」という意思を強く感じられます。
一方で興味深いのは、東大選抜コースであっても部活動制限を設けていない点です。学力だけに偏るのではなく、多面的な経験を通して人を育てようとしている姿勢がうかがえました。
実際の授業では、生徒たちの発言や反応も多く、教室には活気がありました。しかし、その空気は単なる“にぎやかさ”ではなく、「しっかり学ぼう」とする前向きなエネルギーとして感じられました。
特に印象的だったのは、「学ばされている」という受け身の雰囲気が比較的少なかったことです。学校全体として、「勉強すること」がかなり自然な日常として根付いているように見えました。
◆「成果の見える年」へ
今年の春日部共栄高校については、コースの変更などはないようです。
近年の同校は、時間割改革や新コース設置などさまざまな改革を進めてきましたので、今年は、これまで積み重ねてきた改革を“定着させる段階”に入っているように感じました。
新しい制度を導入すること以上に、それを学校文化として根付かせ、生徒の日常に浸透させることの方が難しい場合もあります。
ここ数年で進められてきた改革が、いよいよ学校全体の空気として形になり完成していく“改革が力を発揮し始める年”になる、そのように感じた学校説明会でした。(文・根岸孝之)
=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
サイト内の春日部共栄高校の基本情報は→こちら
学校の特徴~学校からのメッセージ2025~
モットーは文武両道。どのコース、どの部活動においても生徒一人ひとりが「文武両道」を実現することができます。2022年度より2期制・45分7限授業・週5日制を導入し、校訓である「自主自律」のもと自学自習力を磨いています。それにより国公立大学に多数合格。やりたいことをやりながらの「夢の実現」を全力でサポートします。
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