県学校新聞コンクールで優秀賞(県議会議長賞)に輝いた県立越谷北高校。部長の德倉朋夏さん(17)は、前年の1席から下がったことに「ちょっと悔しい」ともらした。さまざまな特集記事を手がけ、ジャーナリズム性の強さに定評のある同校新聞部。今回も、貧困問題や宇宙開発などの企画が光った。
特に農業問題を取り上げた特集では、「農レジャー」という視点から家庭菜園をビジネス化した「シェア畑」を取材したほか、部員自らが野菜作りを体験して記事化。校内アンケートでは「農業を身近に感じていない」と答えた生徒が7割に上ったことを受け、「農業への関心をなくさないための取り組みが必要」と提言している。
一方で、農業専門の県内伝統校として知られる杉戸農業高校園芸科を取材。近隣の小学生と果樹栽培をするなど、地域交流の取り組みや農業への思いを紹介している。取材の中で、杉戸農業高生らが「大変だが達成感がある」と答えたことに刺激を受けたとも明かした。担当した新原慶也さん(17)は「花屋になりたいなど夢を持って学んでいる姿に、自分たちとは全然違うと思った。新鮮と同時に楽しそうだった」と感心しきり。「目標を持つことの大切さを強く感じた」とも。体験で手がけたオクラの栽培は現在も続けているという。
農業問題を取り上げた越谷北高新聞の紙面(2022年12月15日号)
同校新聞部は数年前、部員数が各学年1桁だったが、この間は2年続けて2桁になった。通常号の「越谷北高新聞」とウェブ版「北高なう」を計31回発行。德倉部長は「ワッペンを付けたり、デザインを見やすくしたり、どうやったら読んでもらえるかをいつも考えている」という。「伝統ある新聞部だが、速報性などほかの学校のいいところを取り入れるなど、進化させてやっていきたい」と抱負を語った。
顧問の竹内悟教諭は「みな意欲的に活動している。卒業後もそれぞれ社会貢献につなげたりしているようだ」と話した。
=埼玉新聞2024年2月21日付け8面掲載=
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