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春日部共栄高バッテリー 神宮で実現

明大6季ぶりVに貢献
恩師も成長を実感

 東京六大学野球の春季リーグで春日部共栄高出身の村田賢一投手(20)と石崎聖太郎捕手(20)がバッテリーを組み、明大の6季ぶりの優勝に貢献した。2人が公式戦でバッテリーを組んだのは高校3年時以来3年ぶりだった。春季リーグで5勝を挙げて最多勝のタイトルを獲得した村田は「これから先も多く組んでいきたい」と語った。

春日部共栄高の本多利治監督(中央)から激励を受けた明大の村田賢一投手(左)と石崎聖太郎捕手=10日、春日部共栄高校

 

 千葉県浦安市出身の村田と茨城県日立市出身の石崎が組んでいた春日部共栄は、2018年秋季県大会優勝、続く関東大会で準優勝し、翌19年春の選抜高校野球大会に出場した。2年時から頭角を現した村田はエースで4番、石崎は主将で5番を打つチームの中心選手だった。
 その実績が評価され、2人はスポーツ推薦で明大に進学。入学当初は、高校野球との技術の違いに驚いたという。「上には上がいることを知って何ができるか考えた」と村田は、球威で押す投球スタイルからコントロール重視に切り替えた。石崎は勝負強い打撃を意識。すると、3年生の今季に飛躍した。村田は45回を投げて9四死球と安定した投球で5勝をマーク。石崎も神宮で公式戦デビューを果たしマスクをかぶった。
 練習試合を含めて高校以来となる2人によるバッテリーが実現したのは、4月17日の東大2回戦。村田が先発し、五回裏の守備から石崎が途中出場した。村田は「ユニホームが違って新鮮だったけど、安心感があった」。久しぶりのコンビだったが、あうんの呼吸で三者凡退に抑えた。
 その後、六回の攻撃時に村田が退いたため、村田のボールを受けたのは1イニングのみだったが、石崎は「高校時代を思い出して楽しかった」と貴重な経験を得た。
 2人はシーズンオフになると母校を訪れている。教え子の活躍に恩師の本多利治監督は「とても誇りに思う」と目尻を下げる。2人の試合はテレビで観戦しているという。「選手の成長を実感できるから43年も監督ができる」と明かし、「上の舞台でも活躍してほしい」と教え子たちの成長を願う。
 2人はまだ3年生。これからもバッテリーを組むことは数多くありそうだ。石崎は「村田とスタメンで出て最初から最後までバッテリーとして勝てることが目標」と力を込めた。今後も春日部共栄出身バッテリーから目が離せない。

 

=埼玉新聞2022年6月21日付け6面掲載=

 

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