(25日・県営大宮ほか)
第3日は、準々決勝4試合を行い、昌平は3―7で慶応(神奈川2位)に敗戦。山村学園は山梨学院(山梨1位)に1―9で八回コールド負けを喫し、4強入りを逃した。
昌平は一回に4番斎藤の左前適時打で先制したが、二回に先発石井が二塁打を3本打たれるなどして3失点。三回には2番手佐藤勇が3ランを浴びた。打線は16安打を放ちながら3得点と攻めきれなかった。
山村学園は0―2の七回に、走者一掃の適時二塁打で3点を奪われ、八回には4点を失った。八回2死から今岡のセーフティーバントで1点を返したが、反撃もここまでだった。
準決勝は29日に県営大宮で実施。高崎健康福祉大高崎(群馬1位)―山梨学院、専大松戸(千葉1位)―慶応で争われる。
昌平は相手を上回る16安打を放ちながら3得点と攻めきれず、慶応に屈した。
一回2死二塁から斎藤が左前適時打を放ち、1点先制。だが、二回に3失点し逆転を許すと、三回には3ランを浴び、5点差に。八回に無死一、三塁、九回には1死一、三塁の好機を迎えたがいずれも1得点にとどまり、ビッグイニングを築けなかった。
16安打も力負け
慶応―昌平 1回裏昌平2死二塁、斎藤の左前打で二塁走者甲斐が生還。捕手渡辺憩=県営大宮
昌平は相手を上回る毎回の16安打を放ちながら、慶応に力負けした。2年前に続き埼玉1位として秋の関東大会に臨んだが、来春の選抜大会出場にぐんと近づく1勝を挙げられなかった。黒坂監督は「やっぱり強かった。今大会は一球の怖さ、ワンプレーの重みを感じた」とうなだれた。
試合の入りは上々だった。一回2死二塁から4番斎藤が「先制点は必ず取る」と狙っていた初球の直球を確実に捉え、打球は左前へ。二塁走者甲斐が一気に駆け込み先制した。
毎回走者を出しながらもホームが遠く、次のスコアボードに得点が刻まれたのは八回、酒井の犠飛による1点。九回にも菅沼の犠飛で1点を返したが、12残塁と試合の流れを引き寄せる一本が出なかった。
投手陣は慶応の集中打の前に苦しい投球が続いた。先発の石井は二回に3本の二塁打を含む4安打を許し3失点。三回には2番手の佐藤勇が連打から3ランを浴びた。序盤での重い失点に、主将の捕手斎藤は「勝負しようと言っていたが、甘く入ったストレートを捉えられてしまった」と肩を落とした。
指揮官は「ずっと打って戦ってきて、そこに悔いはない。県では投手陣が踏ん張れたが、きょうは力負け」と敗戦を受け入れた。大舞台での一戦で昌平らしい好守における積極性は影をひそめた。今回の敗戦を糧とし、飛躍を誓う。
ミート力向上 練習の成果形
4安打と気を吐いた3番小林は「打てたのは良かったが、結果負けてしまった」と、目を赤くした。県大会後に取り組んだミート力向上の練習の成果が形となったが、チームとして及ばなかった。
県大会の準々決勝で死球を受け右手を骨折。準決勝と決勝では下位を担ったが、完治させ本来の打順に戻った。この日は2度2死から出塁したが、「ここぞの一本が出なくて負けるような戦いはもうしない」と悔しい負け方をもう二度と繰り返さないつもりだ。
山村学園 山梨学院に1-9でコールド負け
終盤に突き放された山村学園は、山梨学院に八回コールドで敗れた。
山村学園は0―2の七回2死満塁から走者一掃の適時二塁打を打たれ3点を追加された。八回には、2死二、三塁から本塁打を打たれるなど、4失点。打線は5安打に抑え込まれたが、八回2死二、三塁から今岡のセーフティーバントで1点を返した。
団結「アリんこ軍団」
山村学園―山梨学院 8回表山梨学院2死二、三塁、山村学園の投手西川(左から3人目)を中心に選手たちがマウンドに集まる=レジスタ大宮
県3位から挑んだ甲子園へのチャレンジは、最大の関門となる準々決勝の壁にはね返された。岡野監督は「力がなく始まった世代だったので、そんな中ここまで力を合わせて勝ってきた」。コールドで敗れはしたが、選手たちの成長をたたえた。
前チームは坪井、酒井ら強打者がそろい力強さが目を引いた。だが、現チームは体の大きな選手が少ない分、長打よりも小技で得点する野球にシフトチェンジした。そんなチームを主将の今岡は「アリんこ軍団」と呼ぶ。
アリんこ軍団らしさが発揮されたのは、0―9の八回2死から。代打橋本が内野安打で出塁すると、高野の二塁打で二、三塁とした。打者の今岡は「打てないと思ったので、セーフティーバントに切り替えた」。相手の意表を突いた攻撃で、最後に一矢を報いた。
自分たちの力を過信せず、できることに集中して得た1点は今の山村学園らしさを体現していた。発展途上のチームにとって強豪との試合は、大きな経験になるはず。グラウンドで努力を重ねた選手たちは、春、夏に大きく羽ばたくかもしれない。
1年生左腕 経験を糧に
四回から2番手でマウンドに上がった左腕の西川は、六回までは1失点に抑えたが「変化球でストライクが取れなくて、真っすぐを打たれた」。七回に3点を失うと、八回には高めに浮いた直球をスタンドに運ばれた。
関東大会に向けた練習試合で右太もも裏を負傷した。「けがをしてるから投げられなかったではなく、それでも投げて勝ちたかった」。強い意思で登板したが、本来の投球はできず。1年生ながら春と秋の関東大会で登板。将来のエースは経験を成長につなげる。
=埼玉新聞2022年10月26日付け7面掲載=
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