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窓が見た記憶を形に 写真技術でガラスに定着

 東松山市出身の美術家、鈴木のぞみさん(38)が、川越市松江町のカフェ&スペース「NANAWATA(ななわた)」で、個展を開いている。アンティークの窓など古い物に宿る記憶を焼き付けた作品を展示している。

個展を開いている鈴木のぞみさん(NANAWATA提供)

 

 鈴木さんは県立川越女子高で美術部と写真部に所属。同校卒業後、東京造形大で絵画を専攻したのち、東京芸大大学院の博士後期課程修了。VOCA展2016で奨励賞受賞など注目を集める新鋭作家で、現在小川町にアトリエを構える。鈴木さんは、古民家の窓や鏡に映し出される風景をカメラで撮影し、写真技術を使って窓ガラスに定着させる作品を制作している。「場所や物の記憶を形にしたい。自分が新しく絵を描くよりも、写真で記憶を可視化することに興味がある」と話す。
 今回の個展では、1934年都内で建設され、2年前に解体された邸宅の木枠窓を使用。長方形のフレームの向こうには、鈴木さんが邸宅で撮影した庭木や瓦屋根の風景が見える。「特定の風景ではあるけれど、見る人の記憶により受け止め方が変わるような普遍的な作品になっていればうれしい」と話した。

 

「田中邸きくの間の窓」(NANAWATA提供)

 

 個展は10月30日まで。営業時間は午前10時半~午後5時。木曜日と第1、3金曜日定休。11日午後2時からは鈴木さんと、アートを活用した被災地支援事業に携わった佐藤李青さんによるトークイベントを開催。料金は1500円(エクレアと飲み物付き)、要予約。
 問い合わせはNANAWATA(☎049・237・7707)。

 

=埼玉新聞2022年9月4日付11面掲載=

 

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