第8日 第2試合
札幌日大(南北海道)と仙台育英(宮城)の勝者と初戦

第108回全国高校野球選手権は5日、甲子園球場で開幕する。2年ぶり9度目出場の花咲徳栄は第8日の12日、2回戦から登場し、第2試合(午後1時半試合開始)で札幌日大(南北海道)と仙台育英(宮城)の勝者と対戦する。
Aシードとして出場した埼玉大会では武蔵越生、川口市立、昌平などの難敵との連戦を制し決勝に進出。決勝では昨秋、今春と2度頂点を争った浦和学院と対戦。序盤にリードを許しながらも終盤に底力を見せ、逆転で勝利をつかみ取った。
今春のセンバツでは23年ぶりの8強入り。全国の強豪校と張り合う実力を示した。2季連続となる甲子園の舞台で、2017年以来9年ぶり2度目となる夏の全国制覇に挑む。
投
抜群の奪三振力
準決勝、決勝ともに3失点で完投したエース右腕黒川がチームの屋台骨。最速148㌔の直球とカットボール、フォークなど空振りを取れる変化球を操り、登板5試合計29イニングで29三振を奪った。完投、連投できるスタミナと闘志も備わっている。
左腕古賀は制球力が武器。切れのある直球とスライダーをコースに投げ分ける。最速145㌔の速球で勝負する右腕石田は、春から安定感が増した。川田、長谷川の両右腕も加えた4枚が、エースの脇を固める。
打
低く鋭くつなぐ
埼玉大会7試合では計83得点を奪ったが、本塁打は2本のみ。上位から下位まで低く鋭い打球を放ち、安打でつないで得点を積み上げた。チーム打率は3割9分5厘を記録し、打ち出すと止まらない。
思い切りのいい打撃が売りの1番岩井が打線に勢いをつける。打率6割超の笹崎、チームトップの11打点で並ぶ佐伯、奥野の中軸は勝負強い。下位打線にも本田、高原ら長打力がある打者がそろうほか、巧打者の鈴木、右の大砲中森ら代打要員も強力だ。
技
犠打に走塁光る
犠打での手堅い進塁や積極果敢な走塁など、磨いた技で1点を狙うのも徳栄のスタイルだ。7試合で計11犠打を成功させ、勝負どころでは中軸であっても走者を進める役目に徹する。盗塁は5と少ないが、エンドランなど走打絡めた攻撃を多用し、守備を揺さぶる。
指名打者(DH)制により控えの「スペシャリスト」の出番が増える。50㍍走6・0秒の快足を飛ばす代走の更科や、俊足強肩で代走も守備固めもこなす上山ら一芸に秀でた選手たちの存在が、試合の流れを変える。
春の「借りを返す」
岩井隆監督

就任26年目の56歳。桐光学園高(神奈川)時代の恩師・稲垣人司前監督の下で9年間コーチを務めた。2000年に急逝した前監督の遺志を継いで01年から指揮を執り、同校を春6度、夏9度の甲子園に導くなど、強豪校へと押し上げた。
15年から19年までの夏の埼玉大会で史上初の5連覇を達成。17年の第99回全国高校野球選手権大会で初優勝し、埼玉に初めて深紅の大優勝旗を持ち帰った。今夏、2年ぶりに王座に返り咲き、16年以来2度目となる春夏連続での甲子園出場を果たした。
絶対的エース黒川を擁するチームだからこそ、「もり立てるのは守備。ピッチャーを1人にしない」と守備陣と綿密な話し合いを重ねてきた。今夏の埼玉大会で黒川の先発は3試合。優勝までの道のりを逆算した登板計画を立て、実行した。
今春のセンバツでは23年ぶりの8強に導いたが、準々決勝の智弁学園戦では8点差を逆転される衝撃的な敗戦を味わった。「屈辱的だった。もう一度あの舞台で借りを返す」と春の雪辱戦に気合を入れる。
=埼玉新聞2026年8月5日付け7~9面掲載=
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