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自転車用ヘルメット貸し出しなどで着用率向上ー浦和東高校

 4月1日から自転車用ヘルメット着用の努力義務化がスタートする。さいたま市緑区の県立浦和東高校では、希望する生徒に自転車用ヘルメットの貸し出しを行うとともに、一部の生徒が登下校時に率先して着用するなど、着用率の向上に向けた取り組みを行っている。

 

貸し出し用の自転車用ヘルメットを着けて下校する生徒たち=さいたま市緑区の県立浦和東高

 

 同校では全校生徒のおよそ9割にあたる約850人の生徒が自転車通学をしており、中には片道1時間ほどかかる長距離通学の生徒もいるという。毎年自転車による事故の報告があり、同校では本年度から貸し出し用のヘルメットを30個購入。生徒指導部が希望する生徒への貸し出しを始めた。
 開始当初は希望する生徒がなかなか現れなかった。斎藤明博校長は「生徒たちに聞くとヘルメットの重要性はしっかり理解しているが、ヘルメットを着けることに対して『恥ずかしい、かっこ悪い』というイメージがあったようだ」と話す。
 そこで、イメージを払拭しようと、運動部や生徒会に所属する一部の生徒たちが率先してヘルメットを着用する取り組みを始めた。生徒たちが毎日登下校時に着用し、周りの生徒たちも見慣れてくることで、抵抗感をなくしていこうという考えだ。成果は徐々に表れ、2月の降雪の際に転倒時の事故防止を呼びかけたところ、自ら希望する生徒も出てきたという。
 サッカー部の小山紘輝さん(17)は「毎日着けていると当たり前になり違和感もなくなってきた」。ソフトボール部の笹沼咲紀さん(17)は「着けてみたら思ったより軽かった。狭い道でトラックがすぐ横を通ったりすると危ないが、ヘルメットを着けていると守られている感じがする」と話していた。
 生徒会長の柳元愛華さん(17)は、ヘルメットの着用を呼びかける動画を生徒会で作製中といい、「みんなで着ければ恥ずかしくない。安全のために呼びかけていきたい」と意気込んでいた。
 同校の入学説明会では希望者に自転車用ヘルメットの販売を行い、4月以降も全校生徒向けに販売案内を配布するなど呼びかけていくという。斎藤校長は「4月から努力義務になるが、高校生を含めヘルメットを着用している人はごくわずか。着用率向上の取り組みを広げていくことで、交通事故死をなくしていければ」と話していた。

 

=埼玉新聞2023年4月1日付け10面掲載=

 

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