埼玉新聞社 高校受験ナビ

高校受験ナビ「学校レポート【私立編】」ー第2回 春日部共栄高等学校

春日部共栄高等学校の魅力を解説

 

 学校選びに迷っている受験生の皆さんに、綿密な取材に基づいて確かな情報をお届けする“高校受験ナビ「学校レポート」”。第2回は、文武両道を掲げ、進学、部活ともに輝かしい実績を残している春日部共栄高等学校を紹介します。

 

◆野球、水泳、吹奏楽など全国トップクラスの実力

 春日部共栄の部活と言えば、多くの人が野球部を思い浮かべるでしょう。同部は名将本多利治監督の下、過去夏の甲子園に5回、春の選抜に3回出場しており、多くのプロ野球選手も輩出しています。野球部だけの特別クラスなどはなく、一般の生徒と混ざって大学進学を目指すなど同校の文武両道を牽引する存在となっています。

 水泳部もロンドン五輪・リオ五輪メダリストの星奈津美さんを筆頭に数多くのオリンピアンを生み出している強豪です。今夏のインターハイでも女子は全国準優勝を果たしました。高校レベルにとどまらず、社会人・大学生に伍して全日本選手権などでも活躍している点からもレベルと目標の高さが伺えます。また、女子バレーボール部はインターハイや春高バレーの常連として全国にその名が知られています。

 文化部では吹奏楽の活躍が目覚ましく、毎年全国大会に出場しています。今秋の全日本吹奏楽コンクールでも見事銀賞に輝きました。

 このように全国を舞台に活躍し実績を残している部活が多い学校ですが、決して部活一辺倒ということはなく、学業との両立に強いこだわりを持っているのが大きな特色と言えるでしょう。生徒の健康面に配慮し、早くから週1回全校一斉の部活休養日を設けていることはあまり知られていません。

 

 

◆国公立合格は100の大台が目前

 元々国公立大合格を大きな目標の一つに掲げる学校でしたが、やや低迷した時期もありました。しかし、ここ数年は回復基調にあり、今春(令和3年3月)の入試では現浪で90人(現役84人)を達成し、久しぶりに100人の大台が見えるところまで戻して来ました。

 北海道・東北・名古屋・九州など旧帝国大学にも合格者が出ています。

 地域性もあって早慶上智をはじめとする都内私立志向も高い学校ですが、難関国公立と難関私大の両面作戦の中で、どう実績を積み上げて行くかが引き続きのテーマとなりそうです。

 

 

 

◆自主自律型へ、授業改革進行中

 同校は2020年度から中間考査を廃止しました。定期考査は各学期に行われる期末考査のみです。もちろん、単元ごとの振り返りテストなどはこれまで以上に行われるため、楽になるということではありません。成績評価に関わる試験がワンチャンスであり、しかも範囲は広くなるので、むしろ厳しくなったという見方もできます。

 中間考査の廃止に続く改革第2弾は、二期制への移行、45分授業の採用、完全週5日制の導入などです。

それぞれ簡単に説明します。

▽二期制

 3学期制から2学期制への移行です。すでに中間考査を廃止していますから、成績評価に関わる定期考査(期末考査)が年2回あるだけとなります。

 テストの回数が減ることにばかり注目が集まりそうですが、その分授業日数が増えることになります。むしろ主な狙いはそこにあると考えたほうがよさそうです。

▽45分授業

 授業時間は50分から45分に短縮されます。これにより1日7時間授業がやりやすくなります。授業時間の終わりは50分6時間と比べて15分ほど遅くなりますが、これなら放課後の部活動にもそれほど大きな影響はありません。

 ちなみに、二期制・45分授業・1日7時間授業は都立の名門日比谷高校などでも採用されている方式です。春日部共栄がそれを意識したかどうかは分かりませんが、進学指導においてプラスこそあれ、マイナスになることはないでしょう。

▽完全週5日制

 従来は隔週土曜日休みでしたが、行事等の場合を除けば土曜日は完全休みとなります。

 ただし、中間考査廃止・二期制・45分7時間授業などで新たに生み出された授業時数を考慮すると全体として授業時数が減ることはありません。

 

 今年4月に就任した小南久芳校長は、一連の改革について「目先のテストだけにとらわれることなく中長期の目標や計画が立てられる生徒、また、それを実行できる生徒を育てるためのものである」と力説しています。

 昨年度先行実施された中間考査の廃止ついては、生徒たちの中にも当初は若干の不安や戸惑いもあった様子です。しかし、時間の経過とともに先生方が期待した通り生徒たちは以前にも増して自発的に学習に取り組むようになったといいます。今春の大学進学実績上昇もその成果と一つと言えそうです。

 同校の校訓に「自主自律」があります。自立型人間の育成を目指し、同校の改革はこれからも続きます。

 

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=

 

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