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高校駅伝県予選 埼玉栄が男女V

男子で7年連続42度目の栄冠に輝いた埼玉栄のアンカー三井

 

 男子第74回、女子第35回全国高校駅伝県予選(埼玉新聞社など後援)は1日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場および同公園内と周辺道路(男子=7区間42・195㌔、女子=5区間21・0975㌔)で行われ、埼玉栄が2年ぶり22度目の男女優勝に輝いた。男子は2時間5分43秒で7年連続42度目。女子は1時間11分48で2年ぶり26度目となった。全国大会出場は男子が7年連続43度目、女子が2年ぶり27度目。
 男子は2位でスタートした2区松井が先頭に立つと、その後は一度もトップを譲らずにゴールした。女子は1区福山から首位をキープすると全5区間で区間賞を獲得した。
 男女の埼玉栄が全国高校駅伝(12月24日・京都)に出場する。

 

女子で2年ぶり26度目の栄冠を手にした埼玉栄のアンカー久保田=1日、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場

 

 男子評 6区間で区間1位を獲得した埼玉栄が、2位に4分4秒差をつけ圧勝した。
 埼玉栄は1区佐藤が先頭からわずか1秒差の2位でたすきリレー。2区松井、4区岸本が大会記録の走りで後続を引き離すと、アンカー三井が2時間5分43秒でゴールした。
 武蔵越生は一つずつ順位を上げ2位。花咲徳栄が3位に入った。

 

王座努力でつかむ

男子 埼玉栄の2区松井(左)から3区中沢にたすきが渡る

 

 王者の座に堂々と君臨した。男子の埼玉栄が総合成績で昨年を1分12秒上回る2時間5分43秒で大会7連覇を達成した。
 2区松井、4区岸本が区間新記録を打ち出すなど、2区以降は先頭をキープする安定した走りを見せた。神山監督は「タイムは意識していないけど、(1区)佐藤大介が流れをつくって2、3区につなげてくれた」と振り返った。
 1区佐藤は先頭を走る長部(東農大三)の仕掛けを見て5000㍍まで4番手を維持。「長部くんが一気に勢いを付けたので前にいかないといけなかった」と残り2000㍍付近で2位に。東農大三から1秒差でたすきを受けた2区松井は「区間新を狙っていた」と有言実行。スタート直後でトップに立つと、3区中沢からアンカー三井まで独り旅で快勝した。
 今チーム発足当初は、昨年の全国高校駅伝4位のメンバーと比較されることが多かった。中沢は「当時の3年生と比べて引け目を感じた」と強豪校の意地を守れるか不安があった。選手それぞれが危機感を持ったことでチームが活性化。菅原は「努力しないと変わることができない」と昨年の先輩に負けじと練習した成果が、今大会の快勝劇につながった。
 全国での目標は優勝のみ。佐藤は「やれる自信がある」と昨年より埼玉栄が強いと証明するため、たすきをつなげる。

 

2位 武蔵越生
フレッシュに快走

男子 2位に入った武蔵越生の1区鈴木(右)が先頭集団を引っ張る

 

 男子の武蔵越生は、若い力が気を吐き4年ぶりの2位に入った。丸山監督は「フレッシュに力強く走れた。予想以上の力を出してくれた」と、1、2年が3人ずつ出走しての快走をたたえた。
 1区はスロースタートの集団の中で、武蔵越生メンバー唯一の3年鈴木が「自分がペースをつくろう」と引っ張った。7㌔地点で足が動かなくなったが、4位と粘って2区竹多へつないだ。3区神田が3位に押し上げ、1年の4区原が2位との差を15秒まで縮める好走を見せた。
 5区関根がラスト1㌔を切ったところでスパートをかけ、2位の花咲徳栄を捉えると、6区村田が「絶対に抜かれない。前に出られたら負ける」と力走。7区梶が3位以下との差を広げた。
 1位の埼玉栄とは4分以上開いたが、4区以降は全員区間2位の走りを見せるなど安定感を発揮した。鈴木は「練習の時から1、2年生が積極的についてきてくれた。若い主力が多いチームなので、次は都大路を狙ってほしい」と頼もしい後輩たちに感謝し、全国大会の夢を託した。

 

エース負傷と消極性が響く
3位の花咲徳栄

 「打倒埼玉栄」を合言葉に都大路を目指した男子の花咲徳栄だったが、3位でフィニッシュした。西又監督は「2位を守ろうとして、後半は消極的な走りになってしまった」と不完全燃焼のレースを振り返った。
 エース佐々木の負傷も痛かった。今夏の全国高校総体で骨盤の痛みが発症。5000㍍の自己ベストで県内一の実力者を1区でぶつけたかったが「3㌔が精いっぱいだった」と2区でエントリー。激痛に耐えながらも一人をかわし2位でたすきをつなぐ走りを見せた。

 

49年ぶりに関東出場権
6位の春日部

 6位に入った男子の春日部が49年ぶりに関東大会に名乗りを上げた。秋庭監督は「びっくり。今年はそんなチームじゃないんだけどな」。2年前は2秒差で関東出場を逃しただけに、頬が緩んだ。
 メンバー唯一の3年で4区の磯谷は、8月に骨折から復活したばかりながら区間5位の好記録。「後輩の力を借りて楽しみながら走りたい」と関東大会を見据えた。

 

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 女子評 埼玉栄が全区間で1位を記録し、完全優勝した。
 埼玉栄は1区福山が2位に14秒差をつけ先頭でつなぐと、2区柿沢が36秒、3区前田が57秒と差を広げていった。4区岩淵が1分33秒の大差をつけると、アンカーの久保田は2分22秒差の1時間11分48秒で走り切った。
 坂戸西は1区から2位をキープしゴール。追い上げた昌平が3位だった。

 

雪辱を果たし笑顔

女子 埼玉栄の2区柿沢(左)からたすきを受け取り3区前田が走り出す

 

 女子の埼玉栄が2位の坂戸西を2分以上引き離して2年ぶりの栄冠に輝いた。昨年2位で涙を流した熊谷で、今年は秋晴れの下に選手たちの笑顔がはじけた。田村監督は「負けてはいけない独特な緊張感がある中、堂々とやってくれた」とたたえた。
 全5区間で区間賞獲得の快勝劇は、1区福山で幕を開けた。序盤から前回大会で区間賞に輝いた成瀬(昌平)の後ろに付き2位を維持。「気持ちを強く持って粘りの走りを意識した」と4㌔付近で仕掛けて先頭に。一気に突き放すと、以降は独走状態となった。
 2区柿沢、3区前田で後続とのタイムは広がるばかり。2位の坂戸西に1分33秒差をつけて4区岩淵へ。「負けてくることも想定していたけど、予想外でうれしかった」と3㌔区間を難なく走ってたすきリレー。アンカー久保田は「最後まで責任を持って(たすきを)届けないといけない」と最後はガッツポーズでゴールテープを切った。
 この1年間は、常に前回王者の昌平を意識してきた。田村監督は「記録会や大会で同じ組になったら絶対(昌平のユニホームカラー)緑に負けないよう意識した」と昨年2位で都大路を逃した悔しさを忘れず糧とした。好敵手に追い付き追い越せで成長を遂げ、王座奪還に成功。2年ぶりの全国に岩淵は「雰囲気よく盛り上げていきたい」とチーム力で師走の京都を駆け抜ける。

 

2位 坂戸西
計画実り過去最高

女子 1区で先頭争いを演じる(右から)昌平の成瀬、坂戸西の沖田、埼玉栄の福山、本庄東の小泉

 

 都大路出場を目標に掲げた3年計画の最終年で女子の坂戸西が過去最高の2位に入った。原田監督は「持てる力は出し切った。一人一人がよくやってくれた」とたたえた。
 4人の最上級生が意地を見せた。「1年生にプレッシャーをかけないように引っ張る」。1区沖田がスパートを決めてラスト1㌔の地点で2位に浮上。2区佐藤咲は「悔しさを走りにぶつけた」と、けがで満足に走れない時期もあった3年間の思いを胸に、区間2位の好記録をマークした。
 2年連続で3区を任された水野は「後ろを離したかった」と安定感のある走りで、3位に44秒の差をつけた。唯一の下級生4区の1年竹中は「先輩たちが心強くて安心した」と粘りの走りで順位を維持し、アンカーにたすきを渡した。
 全国への出場枠が増える記念大会を見据え、3年前から今年に照準を絞った。新たに外部コーチを迎えて曜日ごとに計画的な練習を実施。主将でアンカーの佐藤瑠は「右肩上がりに伸びた。ここに向けて仕上がった」と関東大会で集大成の走りを見せるつもりだ。

 

予想外の3位も関東で全国狙う
昌 平

 連覇を目指した女子の昌平は、3位という予想外の結果に肩を落とした。長谷監督は「生徒たちの力を伸ばしてあげられなかった」と悔やんだ。
 それでも、最後に意地は見せた。4位でたすきを受けたアンカー野崎は、2㌔手前で13秒差を詰め前を行く本庄東を捉えた。勢いそのままに2位を目指したが「突っ込みすぎて後半が厳しくなった」と失速し、最低限の走りにとどまった。1区のエース成瀬は「北関東では、しっかり調子を戻して都大路に行きたい」と涙を拭った。

 

念願の初出場 28位で完走
浦和学院

 女子の浦和学院は、念願の単独チーム初出場をかなえた。昨年までは人数不足だったが、2年2人に1年3人がそろった。1区を任された主将の山田は「楽しむことを目標に走った。最後までたすきをつなぐことができて良かった」と満面の笑み。
 生徒たちの走りを見守った高橋監督は「最後までチャレンジして諦めず走った」と28位の成績に胸を張った。

 

=埼玉新聞2023年11月2日付け7面掲載=

 

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