
「情報を見極め、騙されない力を身に付けて」と話す佐々木成三さん=さいたま市立浦和南高校体育館
さいたま市立浦和南高校(相坂賢将校長)で、全校生徒や保護者を対象にした文化講演会「情報モラル教室」が行われ、元埼玉県警の警察官佐々木成三さん(49)が「だまされない力」を身に付けるために大切な防犯意識と情報モラルについて話した。
佐々木さんは捜査一課の刑事を10年以上経験。2017年に退職後、学生を犯罪リスクから守るスクールポリスを設立した。「今、私たちは生成AI(人工知能)に全ての問題を頼ってしまっている。それは犯罪者も同じ」と言う佐々木さんは、自ら生成AIで作ったトランプのゲームを仕掛ける。生徒や保護者らが感嘆の声を上げると「今、生成AIってすごい、佐々木すごいと思った人はだまされやすい人」と引き付けた。
続いて「女子高校生が交流サイト(SNS)で知り合った男性に殺害された」「闇バイトと知らずに手伝ったら受け子だった」「偽広告にだまされてゲームをしたらオンラインカジノだった」など、性格、性別など別人格を装ってくるネット犯罪について解説。最近増えているQRコードや口座情報詐欺を紹介した。自分の口座に犯罪被害者からお金が入金され「犯罪収益移転防止法違反」に問われることもあると警告した。
強盗の被害者が提供した防犯カメラの映像では、指示役の言う通りに動いて、あっさりと捕まる闇バイトのリアルな犯罪を見せ、「闇バイトは究極の捨て駒。強盗は懲役5年以上。強盗殺人は日本でも一番重い死刑または無期懲役」と説く。だまされないためには「情報を見極める力、他人の意思に流されない自分軸が必要」と話した。
また、コンビニエンスストアの看板を具体例にして、「知っていると思い込んでいる人は、ぼくがうその情報を言っても気付かない」と「ファクトチェック」の大切さについて説明。「根拠のない情報は、本当かなと疑ってほしい」と強調した。最後に「知識、経験に基づいて見える景色が大切。高校生活の中で関心、視野を広げてほしい」と呼びかけた。
生徒会長の伊藤真弓さん(17)は「体験型の講義で分かりやすく、より身近に感じられた。知らなかったら本当のことは見えない。ニュースもそういう気持ちで触れていきたい」と話した。
=埼玉新聞2025年11月30日付け10面掲載=
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学校の特徴~学校からのメッセージ2025~
「文武自考一解のない課題に立ち向かう」。これが浦和南高校の目標です。進学重視型単位制(55分授業、月1回の土曜授業)のもと、進路選択に応じた多くの講座を設置し、学びの実現を図ります。さらに県内公立高校初の人工芝グラウンド、体育館の空調完備によりスポーツや部活動も盛んです。行事ではオーストラリアへの海外研修旅行をはじめ、体育祭や文化祭で充実した学校生活を送ることができるのも特徴です。
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