2026年6月17日配信
授業公開で見えた「主体性」と「文武両道」
大学進学の先を見据え、進化続ける

6月6日、県立蕨高校で教育関係者向け学校説明会が開催されました。令和6年度に続き2回目の実施となる今回は、授業公開の後、学校概要や入学者選抜、進路指導についての説明が行われました。変化する大学入試への対応を進める同校の現状と進化を続ける姿を知ることのできる機会となりました。
◆授業公開で感じた生徒たちの主体的な学びの姿
公開された2限目の授業には、教育関係者だけでなく、受験生や保護者が多く訪れ、教室の様子を熱心に見学していました。授業や校内の雰囲気からは、蕨高校ならではの学びの空気を感じることができました。
倫理の授業では、先生からの問いかけに対し、生徒たちが自らの考えを交えながら深い回答をしていたことが印象的でした。また、政治・経済の授業では、身近な具体例を用いながら社会の仕組みを分かりやすく説明しており、生徒の理解を促す工夫が随所に見られました。
さらに、校内を歩いていると、生徒の主体的な学びを支える環境も目に留まりました。廊下には英文解釈の問題が書かれたホワイトボードが設置され、生徒が解答を書いた付箋を貼り付ける取り組みが行われていました。また、レターケースには大学入試の過去問題から抜粋したプリントが用意され、生徒が自主的に活用できる仕組みが整えられています。こうした光景からは、「自ら学ぶ姿勢」を大切にする校風が感じられました。

◆「求める生徒像は変わらない」 進化する教育課程と文武両道
説明会の冒頭では、小川剛校長があいさつを行いました。令和9年度入試から選抜方法が変わるものの、「蕨高校が求める生徒像は変わりません」と強調しました。求めるのは、こつこつと真面目に努力できる生徒、そして文武両道に全力で取り組める生徒です。全員が受検する面接では、「中学校時代に工夫したこと」「高校で挑戦したいこと」「将来の夢」について、自分の言葉で語ることが求められると説明しました。
また、令和9年度入学生から教育課程も見直されます。1年次の国語の授業時間を増やし、論理的思考力や表現力の育成を強化します。従来は3年次からだった文系・理系のコース分けを2年次へ前倒しし、難化する大学入試や多様化する進路希望に対応します。さらに、「情報Ⅰ」の履修時期の変更など、大学入学共通テストに対応するための改善も行われます。
生徒の様子については、9割以上が部活動や生徒会活動に参加し、文武両道を実践していることが紹介されました。放課後には教室や学習室で自習する姿も多く見られ、「朝型学習」が推奨されており、朝7時頃から登校して学習に励む生徒も少なくないそうです。何事にも積極的に挑戦する姿勢が、同校の大きな特色といえるでしょう。
◆70年の伝統を礎に、「進化する蕨高」へ
続いて、田一樹教頭から学校概要と入学者選抜について説明がありました。学校説明は「基本情報」「70年の伝統」「進路指導」「文武両道」「進化する蕨高」の5つの柱で構成されました。
蕨高校が目指す学校像は、「生徒の進路希望を実現する文武両道の進学校」です。グローバルな視点を持つ次世代のリーダー育成を掲げています。
普通科と外国語科の2学科を設置し、普通科では国公立大学入試にも対応できるカリキュラムを整え、3年次には少人数クラスを編成。外国語科では外国語関連科目が全体の約3分の1を占め、特色ある行事も充実しています。
また、創立70年を超える歴史の中で、2万6千人を超える卒業生とのつながりも大きな財産です。学校行事や部活動を通して仲間との絆を育み、学習集団として成長していく文化が受け継がれています。
さらに、施設面でも進化が続いています。DXハイスクール事業によるデジタル環境の整備に加え、体育館の空調設備が完成しました。今後は食堂や卓球場、柔剣道場の整備も予定されています。制服についても多様な着こなしを可能とし、生徒一人一人の個性や時代の変化に対応する学校づくりが進められています。
◆大学進学のその先を見据え、「自立した学習者」を育てる進路指導
最後に、大塚一紀進路指導主事より説明がありました。進路指導方針は、「大学進学の先を見据えて、目標は高く!」です。
令和8年度入試では、現役生のみで東京大学をはじめとする国公立大学に105名、早慶上理に79名、GMARCHに244名が合格し、現役進学率は91.4%という高い実績を残しました。
こうした実績を支えるのが、「きめ細かな個別指導」「充実した進学補講」「先輩から学ぶ進路行事」の3つです。少人数指導、CPノート(キャリアプランノート)を活用した定期面談、模試分析、受験校検討会などを通じて、一人一人の希望進路の実現を支援しています。平常補講や夏季補講、オンライン補講に加え、受験速報会や卒業生との懇談会など、「先輩から学ぶ」機会も充実しています。
年々増加する国公立大学志望者に対応するため、教育課程の見直しによってさらなる飛躍を目指します。個別最適な学びを推進し、「自立した学習者(アクティブ・ラーナー)」の育成を通して、生徒一人一人の高い目標の実現を後押ししていく姿勢が伝わってきました。
蕨高校では、今年初めて1学期中にイブニング説明会を浦和・越谷・朝霞で開催するなど、積極的な情報発信にも取り組んでいます。また、8月19日の学校説明会では、生徒による発表も予定されています。説明会の申込状況などの最新情報は学校ホームページやInstagramで随時更新されます。
授業公開で見えた主体性、文武両道を体現する生徒たちの姿、そして時代の変化に対応しながら進化を続ける教育内容。実際に足を運び、生徒たちの様子に触れることで、パンフレットだけでは伝わらない蕨高校の魅力を感じることができるはずです。中学生や保護者の皆さん、ぜひ説明会に参加し、その空気を体感してみてはいかがでしょうか。 (文・山本直登)

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=
サイト内の蕨高校の基本情報は→こちら
学校の特徴 ~学校からのメッセージ2026~
・2学期制及び土曜授業実施による授業時間の確保を図っている。・普通科では1・2年次に広く様々な科目を学び基礎の徹底を図る。3年次から理系・文系の類型を選択し、少人数学級編成によりきめ細やかな指導を徹底する。・外国語科では、専門学科の授業を多く設置、3年間を通して少人数の英語の授業があり国公立大学を目指すことができる。また、2年次から第二外国語(フランス語、ドイツ語、中国語のいずれか)を学習する。
カテゴリー
よく読まれている記事