埼玉新聞社 高校受験ナビ

2026年度開校の新校を紹介<前編>

 埼玉県は社会のニーズに対応した特色ある県立高校づくりを推進するため、令和8(2026)年4月1日に新校6校を開校。

 ここでは「大宮科学技術高校」「岩槻高校」「和光国際高校」の3校を取り上げる。

 

◆和光国際高校(和光市広沢)

生きたグローバル教育の拠点に

 2026年度に開校する新校・県立和光国際高校で新たに設置される国際科(定員80人)では、これまでの和光国際高校に設置されていた外国語科の流れを引き継ぎつつ、進化させた取り組みが予定されている。
 語学の学びが中心であった外国語科に比べ、国際科では語学を使った探究活動や教育活動を拡充。2年次の必修授業で予定する「国際問題探究」の時間では、これまで学んできた英語を用いて国際的な問題や諸課題について議論をしたり、英字新聞などから情報を入手したりしながら国際社会への教養と理解を深める。この授業は、3年次の普通科(定員240人)人文コースの必修授業でも予定している。

 第二外国語は、これまでのフランス、スペイン、ドイツ、中国語の4カ国語に加え新校では、韓国語を追加した5カ国語に。国際科では選択した語学を1年生から3年間、普通科では3年生から1年間学ぶことができる。

 「国際科と同様にレベルの高い語学の授業を展開する普通科ですが、一番の特徴はバランスの良い育成カリキュラムです」と髙辻正明教頭。1、2年生ではあえて文理コースを分けず、国際社会で活躍する素地となる総合的な学力を培う。
 国際交流も活発だ。海外研修では姉妹校を結ぶ高校があるオーストラリアなど複数の国に毎年50〜80人ほどの生徒を派遣し、海外からの受け入れも積極的に対応する。連携協定を結ぶローワー・コロンビア・カレッジ(米国・ワシントン州)など既に毎年数人の海外進学の実績があるものの、さらに生徒の進路の選択肢を広めようと、希望者向けに1年次から海外進学の説明会を実施していくという。
 和光高校と統合し開校する新生和光国際高校では、制服も一新する。現行のブレザースタイルはそのままに、色は鮮やかな青色から紺色にチェンジ。ジャケットの裏地には和光高校のチェック柄を取り入れている。

 国際感覚を身に付け、国内外で活躍できる人材の育成を目指す同校。堀尚人校長は「これからは柔軟な発想力や人と協働し、目的を達成していける豊かな人間力が不可決。だからこそ、何かひとつに偏らずにどんなことでもチャレンジできる生徒にぜひ来てほしい」と呼び掛ける。

 

◆岩槻高校(さいたま市岩槻区)

地域と世界をつなぐ実践的な学び

 新校となる県立岩槻高校は、現在の岩槻高校があるさいたま市岩槻区城南に開校する。
 現在の岩槻高校は昭和23(1948)年に県立春日部高校の定時制課程(昼間)普通科として始まり、78年の歴史は戦後にできた高校の中でも最も古い1校だ。その伝統を引き継ぎながら、新校開校を機にさらなる飛躍を目指していく。
 「国際感覚を身に付けたグローバル人材を育成する高校」と位置付けられた新校では、普通科(定員280人)に加えて「国際教養科」(定員40人)を新設。同科ではシティ・プロモーションや多文化共生論、国際問題探究など選択科目を設け、地域と世界をつなぐ実践的な学びを展開する。また、外国語教育では世界言語である英語を学ぶだけではなく、希望者には中国語、韓国語、スペイン語の第二外国語講座を開講する(普通科の生徒も選択可能)。国際交流はこれまでのノウハウを効果的に引き継ぎ、実用英語技能検定(英検)は生徒全員が受検する。探究学習では、地域と深く関わる「岩槻学」に取り組み、人形のまち・岩槻の身近な課題を題材に創造的に解決策を探る活動を行う。
 進路指導は卒業後だけでなく、10年後を見据えたキャリアプランニングによる指導を行う。また進路選択のミスマッチを防ぐために、1年次から進路へのサポートを手厚く行っていく。3年次には各進路(一般選抜、看護医療系、公務員)に対応した外部講師によるセミナーを1カ月に約1回の頻度で実施。生徒主体のキャリア教育を重視し、多様化する選抜方法に対応できるようにしていく。
 新校開校に合わせるように、6月からは校舎の大規模改修が始まるなど、学びの環境も徐々に整えられる。「これまでの伝統を継承しつつ、新校としてさらなる成長と進化を遂げる中で、高い目標に向かって挑戦する意欲ある中学生は夢を持って本校に足を運んでもらいたい」と深井秀仁校長は受験生にメッセージを送っていた。

 

◆大宮科学技術高校(さいたま市北区)

科学で拓く未来への道

 県立大宮工業高校と県立浦和工業高校が統合した新校・県立大宮科学技術高校は、現在の大宮工業高校があるさいたま市北区に開校する。
 国内で不足するIT人材の育成を目的に県内初の専門情報科「情報サイエンス科(2クラス80人)」を設置。2年次からシステムデザインコースと情報デザインコースの2コースに分かれる。システムデザインコースでは、目まぐるしく変化する情報化社会に適応できるよう、学校設定科目として同校独自の資料を使用しながら基礎工学、システム、デザイン、マネジメントやプログラミングを学び、最新のシミュレーション技術を活用し、サイバー攻撃から企業や社会を守るホワイトハッカーを育成していく。情報デザインコースは、AIやビッグデータを用いたサービス研究をはじめ、デザインコンテンツ、バーチャルリアリティやプロジェクションマッピングなど時流に合わせたデザインを実践的に学んでいく。
 また、機械工学科(2クラス80人)、電気工学科(1クラス40人)、ロボット工学科(1クラス40人)、建築デザイン工学科(2クラス80人)の工業専門分野も設けられ、工業高校では珍しく各学科の枠を超えた、進路に応じたクラス編成=ミックスホームルームで多様な価値観を育む。
 新校ではより専門的な知識・技術の習得を目指して大学進学に力を入れるため、45分×7時間授業にして、専門教科だけではなく、共通テスト対策の普通科教科も多くの時間を割いていく。また、新校開校に合わせて、既存の電子機械科棟や特別教室棟の改修に加え、最新の機器を兼ね備えた新校舎「情報サイエンス棟」も完成する。
 くしくも大宮工業高校は今年創立100年の節目を迎え、101年目が県内初の工業高校同士が統合された新校開校となる。「新校1期生として新しい学校を一緒に創っていくチャレンジ精神のある生徒にぜひ来てもらいたい。これまで先輩たちが築き上げてきた伝統を尊重しながら、新校としての次の100年の歴史をみんなで築き上げていきましょう」と岩井幸一校長は話していた。

 

=2025年7月発行 埼玉新聞「令和8年度 高校入試対策特集」掲載=

 

<2026年度開校の6校>

先端産業分野で活躍できる人材育成を目的とした高校

 「大宮科学技術高校」は県立大宮工業高校と県立浦和工業高校が統合

 

国際感覚を身に付けたグローバル人材の育成を目的とした高校

 「和光国際高校」は県立和光国際高校と県立和光高校を統合

 「岩槻高校」は県立岩槻高校と県立岩槻北陵高校を統合

 「秩父高校」は県立秩父高校と県立皆野高校を統合

 

アニメーション・美術分野で活躍できる人材育成を目的とした高校

 「越生翔桜(おごせしょうおう)高校」は県立越生高校と県立鳩山高校を統合

 

ビジネス分野で活躍できる人材育成を目的とした高校

 「八潮フロンティア高校」は県立八潮南高校と県立八潮高校を統合

 

2026年度開校の新校を紹介<後編>は2026年7月発行の埼玉新聞「令和9年度 高校入試対策特集」で掲載します。

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