埼玉新聞社 高校受験ナビ

塾説レポート⑪ 県立杉戸高校

2026年7月3日配信

安心して挑戦できる3年間へ

創立50周年を迎え「新しい学校づくり」目指す

 6月15日、県立杉戸高校で教育関係者を対象とした学校説明会が開かれました。

 会の冒頭、中村修二校長はビデオメッセージを通じて、今年度から始まる新しい県公立高校入試について触れ、次のように話しました。

 「杉戸高校としては、基本的には昨年度までの入試の形を大きく変えることなく、入試制度の変更があまり受験生の皆さんの負担とならないよう対応したいと考えています。」

 この言葉は、単に入試制度への対応を説明したものではなく、受験生の気持ちに寄り添う学校の姿勢そのものを表しているように感じられました。

 

◆生徒は「光る原石」

 学校が育成を目指すのは、「主体性」「協調性」「発信力」「共感力」「継続力」の5つの力です。知識や学力だけではなく、自ら考え、仲間と協力し、自分の考えを発信できる人材の育成を目指しています。

 その考え方を象徴する取り組みが、新入生を対象とした「スタートアッププログラム」です。ワークショップを通して、「答えを出すこと」よりも、「相手の考えを尊重すること」や「仲間と考えること」の大切さを学びます。正解だけを求めるのではなく、安心して自分の考えを表現できる環境づくりを重視していることが印象的でした。

 

 また、杉戸高校では、生徒一人一人を「光る原石」と捉えています。中学校時代に目立った実績がなくても、自分に自信が持てなくても、高校生活の中で新しいことに挑戦し、自分らしい強みを見つけてほしいという考え方です。生徒の可能性を最初から決めつけるのではなく、一人一人が持つ力を引き出し、伸ばしていこうとする姿勢は、学校全体の教育活動にも共通しています。

 さらに、東武動物公園と連携したイベントや海外大使館との交流、大学・企業との連携など、生徒が視野を広げるための多様な学びも展開されています。

 

◆倍率上昇の理由は?

 今年、創立50周年という節目を迎え、「新しい杉戸高校」をテーマに、制服の刷新や体育館への冷房設置、特別教室棟の改修など施設整備を進めるとともに、新たな教育プログラムも次々と導入しています。

 学習面では55分カセットシステムを導入し、土曜授業を行わずに授業時間を確保するとともに、問いかけや対話を重視した授業づくりを進めています。国公立大学や難関私立大学への進学実績も伸びていて、学びの成果も表れています。

 一見すると、大きな改革を進めている学校という印象を受けます。しかし、説明会を通して見えてきたのは、「変えること」そのものが目的ではないということです。さまざまな学校づくりの根底には、生徒が安心して学校生活を送り、安心して新しいことへ挑戦できる環境をつくるという考え方がありました。

 説明の中では、「普通の生徒が普通の青春を送れる学校」という言葉も紹介されました。特別な一部の生徒だけではなく、一人一人が自分らしく学校生活を送り、その中で成長していくことを大切にする学校です。この等身大の生徒に寄り添う姿勢こそが、今回の説明会で感じた「安心感」の正体だったように思います。

 創立50周年。杉戸高校が育てようとしているのは、学力だけではなく、「安心して挑戦できる3年間」なのかもしれません。(文・根岸孝之)

 

 

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=

 

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学校の特徴~学校からのメッセージ2026~

【躍動・敬愛・誠心】の校訓のもと、新しい取り組みを続ける。授業は55分カセット方式で、土曜授業なしで週33単位を確保。教育課程は大学受験対応。入学直後に2日間行う「スタートアッププログラム」で、高校の深い学びへの意識改革を実施。特に2日目の「英語しか使えない杉戸高校」は、世界各国より外国人講師40名以上を集め、異文化理解とコミュニケーション能力の向上で人気。SDGs探求も奥が深く、楽しい。令和7年度入学生からは、生徒会役員が長年かけてデザインした新制服となりました。

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