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【高校野球】シード16校 戦力分析(3)

Bシード
上尾

変化球を巧みに駆使して凡打の山を築く上尾のエース川口

 

 

命運握る二枚看板

  昨秋、今春ともに県大会ベスト4と結果を残し、投打に力が備わっている。高まる周囲の期待にも、高野監督は「一つ一つ目の前の敵を倒すのが上尾のスタイル」と気負わずに一戦必勝を掲げる。
 注目は、エース川口と倉持の二枚看板。守りから流れをつかむチームだけにこの2人の活躍は必要不可欠だ。川口は、右横手投げの技巧派で変化球を駆使して凡打の山を築く。倉持は最速130㌔の直球と制球力が持ち味の左腕で、強気な内角攻めで勝負する。
 例年通り、つなぐ意識が徹底されている打線は、3番金丸、4番駿河の勝負強さが光る。リードオフマンの1番石川が出塁し、好機でクリーンアップを迎えたい。6番野口、7番大西と下位もバントや足を絡めた攻撃を仕掛ける。

 

Cシード
狭山清陵

個々の向上で成果

  昨秋は県2回戦で勝利を収めながら、新型コロナウイルスの影響で3回戦出場を辞退。悔しさをバネに、春は24年ぶりの8強入りを果たした。鈴木監督は「一人一人が自立していて、物事をしっかり考えている」と躍進の要因を挙げる。
 夏はさらに上の舞台を見据え、全体練習後の課題克服に時間を費やし、個々の能力アップに励んでいる。6番木谷の長打力向上など、目に見える形で成果が出始めた。2巡目から爆発力が増す打線は、経験豊富な1番武内と3番清水の活躍がチームを勢いづかせる。
 主戦投手は3年生右腕2人。佐藤は相手打者のタイミングを崩す巧みな投球を得意とし、小高は要所で打たせて取る制球力が光る。夏を乗り切るために、2年生投手陣の八巻、鎌田、鈴木大も出番を待つ。

 

Dシード
武南

意地を見せ 上狙う

  春季大会は、エース右腕石橋の力投や2年石嶋の完封などで県大会2回戦までを3試合無失点と奮闘した。5大会ぶりに16強入りを果たし、新井監督は「一発上を食う力はある。行けるところまで行こう」。
 昨夏のスタメン6人が残る経験豊富なチーム。軸の石橋は最速145㌔の右腕から放つ多彩な球種が持ち味だ。駆け引きがうまく、打たせて取る野球で流れをつくる。攻撃の要は、巧打と長打が武器の3番越沼。指揮官が「野球を知っていて頼りになる」と太鼓判を押す2年曽根も期待大だ。
 練習場がなく、調整が難しいことが課題。酷暑が予想される今夏、選手らがどれだけ持ちこたえられるかが鍵を握る。〝与えられた環境で最善を尽くす〟という考えの下、どれだけ意地を見せられるか。

 

Dシード
大宮東

安定感増した守備

 それぞれ1年秋から経験を積んできた清水、高橋亮の両左腕を中心としたバッテリーが最大の売り。安定感が増した守備で丁寧にアウトを積み重ね、難敵との戦いでもロースコアの展開に持ち込む土台はある。
 制球にたけ内外へ投げ分ける清水と、力のある直球を武器とする高橋亮の二枚看板は頼もしい存在。女房役も打撃力のある高橋大と、リード面で秀でる川合を使い分け、内野は白田、渡辺の2年生二遊間コンビが軸。オーダー次第で丹下、熊木にも出番がありそう。
 打線は期待値の高い山岸、木村、菊谷の前にどれだけ走者を出せるか。河西監督は「勢いのあるバッターを起用したい。今年はメンバーを固定せず、相手によって作戦を変える。戦いながら成長したい」と、チームの潜在能力に期待している。

 

=埼玉新聞2022年7月5日付け7面掲載=

 

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