書道でつながる心
用紙いっぱい 思い込め
草加市新里町の新里文化センターで5月7日まで、市内県立4高校(草加、草加東、草加南、草加西)書道部の作品が展示されている。新型コロナ感染拡大前まで各校と交流を続けていた高齢者施設が企画した。「直接会えないが、作品を通じて心だけでもつながり合おう」。それぞれの書には、そんな思いが込められている。
5作品が並ぶ書道展=草加市の新里文化センター
同センター近くにある特別養護老人ホーム「草加キングス・ガーデン」(同市遊馬町)と高校生の交流は数年前から始まった。高校生は出前演奏会や夏休みのボランティア体験などで毎年のように施設を訪問。入所する高齢者も触れ合いを楽しみにしていた。
そんな関係に影を落としたのが新型コロナ。施設での面会は中止され、家族でさえも立ち入り禁止。高校生との交流も自然消滅しつつあった。
寂しい思いの募る入所者たち。何か作品を通じて交流が続けられないかと施設の職員が思い立ち、入所者の好きな書道を提案。市内4校にそれぞれ「人」「互」「結」「創」など一文字をテーマにした書道を依頼した。施設の入所者も「幸」をモチーフに書道に挑戦した。
完成後に各校から持ち寄られた作品を施設内に展示すると、入所者から大好評。多くの人に見てもらいたいと同センターで一般公開を始めた。
「笑顔でいれば希望に満ちた明日に」「人生は素晴らしい」「みんないるから幸せ」。同センターに並ぶ作品の数々。縦1・2㍍、横1・8㍍の用紙いっぱいに、願いや思いが込められた。
企画した同施設の長野百合子さんは「各学校が心を込めて仕上げた作品。文字から大きな力や感動が伝わり、入所者も元気をもらっている様子だった」と笑顔で振り返る。そして「今回の書道を通じて、この草加で共に生きる幸せと喜びを、みんなで感じ合えたらうれしい」と話していた。
公開時間は午前8時半から午後9時半まで。
問い合わせは、同センター(☎048・927・3362)へ。
=埼玉新聞2023年4月15日付け10面掲載=
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