8日開幕 145チーム激突
第105回全国高校野球選手権記念埼玉大会は8日、145チーム(156校)が参加して開幕する。初の甲子園出場を目指す昌平と2年ぶりの王座奪還を狙う浦和学院がAシード。春季県大会4強の大宮東と市川越がBシード、上尾、狭山清陵など同8強の4校がCシード、花咲徳栄、山村学園など同16強がDシードに収まった。大会を目前に控え、最終調整に励む16校の戦力を、組み合わせ順に4回に分けて分析する。
Aシード 昌平
投打充実 盤石の布陣
春季県大会を打率6割超えでけん引した昌平の2番金子
投打ともに戦力が充実した盤石の布陣で、悲願の甲子園出場を狙う。秋春と2季連続で頂点に立ち26年ぶりのAシードから挑む黒坂監督は「自信はある。選手たちにはずっとやってきたことを信じてほしい」と今夏に懸ける思いは大きい。
投げては、技巧派のエース渡辺俊が変化球で打ち取って勝負強く試合をまとめる。最速143㌔の直球が武器の2年右腕佐藤立は春を通じ安定感が増した。指揮官が秘密兵器と称する140㌔超え左腕の山根は、登板が楽しみな存在だ。
攻撃は春季県、関東大会で全7試合に出場し打率5割をマークした2番金子がけん引。けがから復帰した小林、主将の斎藤、ミート力抜群の菅沼が中軸を務める。盗塁など足を絡めた多彩な得点力を披露し、頂点まで駆け上がりたい。
Cシード 大宮南
機動力で熱戦を演出
高い制球力を武器に打たせて取る大宮南のエース高山
春は地区大会から6戦中3戦が逆転勝利での8強入り。後半に強いチーム野球で9年ぶりにシード校として夏に挑む。蓜島監督は「相手は関係なくいい試合をしたい。見る人が熱狂する試合を一戦でも多くやる」と熱戦に期待を込める。
チーム最大の特徴は機動力。出塁率の高い1番今井、2番海北が塁に出れば盗塁や送りバントのほか、豊富なサインプレーで確実に1点を取りにいく。指揮官が夏のキーマンと話す鈴木はチーム最速の50㍍5秒9。平均タイム6秒4の快足打線が相手をかき回す。
投手は春の大会で1与四球と安定した投球を見せた主将の右腕高山がチームの4番で技巧派右腕越石とのダブルエースを形成する。春はけがで離脱していた守りの要、山田文が復帰して、バックの守備がもり立てたい。
Dシード 川口
守備力の課題を克服
今春は新チーム発足時から力を入れてきた打線が実って16強入り。だが、4試合で27失点と守備力に課題が残った。鈴木監督は「失点が多かったことを反省し、ディフェンス面の整理ができてきた」と準備は整った。
粗さはなくなり、洗練された守りは、エース右腕遠田と捕手土屋の3年バッテリーに、2年生が内野を固める。エース遠田は球の切れと制球力を武器に丁寧に打ち取る。直球に力強さがある井上、184㌢の長身右腕三島が2番手以降で登板する。球数制限を踏まえて、右腕西山と左腕渡辺もマウンドに上がる可能性が高い。
打線は勝負強さがある武居、遠田、土屋の2~4番に、7番寺垣、8番浜本ら下位にはバントなどの小技ができる選手が並び、攻撃パターンは多彩だ。
Dシード 東農大三
基本徹底 忠実な野球
昨秋は4強入りしたものの、あと一歩のところで秋季関東大会出場を逃した。その悔しさを糧に成長を遂げ、夏にぶつける。高広監督は「伸びしろがあるとハッパをかけて基礎の向上を継続的にやってきた」とコツコツと積み重ねた力で上位進出を狙う。
守りからリズムをつくるチームだけに、投手陣の出来が重要になる。エース左腕金井は、強気な内角攻めの投球で最少失点に抑える。後ろに控えるのは、切れのある直球を武器にする加藤と青木の2年生右腕が務める。捕手金子が、ピンチの場面でも冷静な判断で投手をけん引する。
打線は単打を重ね、塁に出たら積極的に足を使うのが特徴。長島、寺山の1、2番コンビが好機を演出し、渡辺、高嶋の3、4番で得点を奪うのが理想の展開だ。
=埼玉新聞2023年7月3日付け7面掲載=
関連記事
サイト内の
昌平高校の基本情報は→こちら
大宮南高校の基本情報は→こちら
県立川口高校の基本情報は→こちら
東京農業大学第三高校の基本情報は→こちら
カテゴリー
よく読まれている記事