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古巣で目指す初代王者

埼玉パナソニックワイルドナイツ
コーチ 木川隼吾さん

埼玉パナソニックワイルドナイツの本拠地で、プレーオフトーナメントへ意気込む木川隼吾さん=熊谷市上川上のさくらオーバルフォート

 

 今月中旬、熊谷市の熊谷ラグビー場に隣接する埼玉パナソニックワイルドナイツの本拠地「さくらオーバルフォート」。スクラムを担当するスクマムコーチ木川隼吾さん(38)の姿があった。スクマムはスクラムと熊谷を組み合わせた造語だ。ワイルドナイツの選手から同市職員を経て、古巣に舞い戻った木川さんは「まさかここが職場になるとは思わなかった」と笑った。
 深谷市出身。小学校6年生の時に熊谷ラグビー場で社会人の試合を観戦し、「大きな男たちがぶつかり合う姿に興奮した」と振り返る。深谷南中でラグビーを始め、深谷高校や大東文化大学で主将を担った。ワイルドナイツではプロップとして、現役生活10年間でトップリーグ(TL)と日本選手権を計9回制した。
 同じポジションの稲垣啓太選手が台頭してきたこともあり、32歳で引退。「社会人として働きたい」という思いも持っており、熊谷市職員のスポーツ枠採用試験に応募することに。16年4月から入庁し、熊谷ラグビー場が会場の一つとなった2019年のラグビーワールドカップ(W杯)の準備や運営に携わってきた。
 ラグビータウン推進課で勤務していた昨夏、本拠地を熊谷に移転したワイルドナイツからコーチの依頼があった。働きながらボランティアでコーチを続けた後、専念するために3月で市役所を退職した。市役所で働いた6年間は学ぶことが多く、「選手は周りのたくさんの人が支えてくれているからこそ、プレーできることを再認識した」と語る。
 チームは新型コロナウイルスの感染者が確認された影響で出遅れたものの、リーグワンのリーグ戦では14連勝して2位となり、22日のプレーオフトーナメントの準決勝で、クボタスピアーズ船橋・東京ベイと対戦する。「トップリーグ最後の王者となったが、リーグワン初代王者もチーム全員で勝ち取り、優勝を地域の人たちと分かち合いたい」と話していた。

 

=埼玉新聞2022年5月22日付け10面掲載=

 

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