埼玉新聞社 高校受験ナビ

【2023専門学科の学び2】県立常盤高校

最短5年で看護師国家資格取得を

 病院はもちろん、さまざまなクリニック、在宅医療、企業などで求められることがある看護職の人材。看護師になるには、国家試験への受験資格を得るため、定められた機関で一定期間の教育を受けることが必要だが、県内で唯一の看護科を設置する県立常盤高校に入学すると、最短5年で受験資格を得ることができる

 普通科高校卒業後に、看護師を目指すには、3年制の看護短期大学・専門学校もしくは4年制大学に入学し、卒業する必要がある。対して、看護科1〜3年生と専攻科1・2年生の完全5年制の同校は、高校1年生から受験資格に必要なカリキュラムが始まる。スタートダッシュを早く切ることができる強みについて鴨志田新一校長は、「生徒たちの人間形成の場となる高校でもあるからこそ、資格を取ることだけでなく、看護師として必要なコミュニケーション能力などもしっかりと身に付けることができます」と分析する。
 看護科1年生から始まる医療機関などでの「臨地実習」は、学年が上がるごとに増え、専攻科2年時には、1クール約2週間の実習を年に6クール実施。実習先のカリキュラムでは、実践的な内容が展開されるため、現実的な観点で看護師として働くことに向き合うことができる。
 看護師養成においては、知識や技術の習得だけではなく、臨床判断能力の育成が求められており、プロジェクト学習や看護研究をはじめとする探究的な学習も取り入れている。

 過去3年間の看護師国家資格の合格率100%を誇る同校では、約90%の卒業生が看護師として就職し、多くの卒業生が医療機関等で活躍している。さらには約10%が進学し、保健師や養護教諭、助産師などを目指す。進学先が4年制大学であれば、3年生に編入することができる。塚原昌代教頭は「今後も、実践を見据え、生涯学び続ける力を培う看護師養成機関として存在し続けたい」と語る。
 「看護師はもちろんのこと、その後のキャリアアップも全面的な支援ができる体制は整っている」(鴨志田校長)。将来、看護職を目指す受験生は、関東地区では6校しかない看護科設置高校のなかでも、5年一貫制の県立常盤高校に注目してほしい。

 

=埼玉新聞7月4日付け「高校入試対策特集」8・9面掲載=

 

次回は7月7日(金)に【2023専門学科の学び3】県立常盤高校の配信を予定しております。

 

 

サイト内の常盤高校の基本情報は→こちら

 

学校の特徴 ~学校からのメッセージ~

本校は、看護師を養成する5年一貫の専門高校です。看護科の課程(3年間)を修了すると、全員が看護専攻科の課程(2年間)に進みます。5年間の課程を修了すると看護師国家試験の受験資格を得ることができ、合格すると、他の高等学校を終えて看護師養成機関へ進んだ場合よりも1年早く看護師として医療現場で勤務することができます。また、近年では助産師や保健師資格、教員免許取得のために進学する生徒も増えてきています。

 

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