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創立100周年で式典ー杉戸農業高校

次代担う人材育成

 

新型コロナウイルス感染拡大に配慮し出席者を制限して催された創立100周年式典で式辞を述べる生徒会長の木村綾萌さん

 

 杉戸町の県立杉戸農業高校(飯田賢校長、679人)の創立100周年記念式典が6日、春日部市民文化会館で催され、生徒や教職員ら約800人が歴史の節目を祝った。新型コロナウイルス感染拡大に配慮し、招待者を限定。来賓として大野元裕知事や古谷松雄町長などが出席した。

 飯田校長は「国際化や情報化が進む中、これからの農業教育は、新たな課題に対応した持続可能な農業に寄与する人材育成が求められている」とあいさつ。県内農業高に先駆け国際的な農業認証を取得するなど、農業実践を通して、経営感覚やチャレンジ精神を持った生徒の育成に取り組んでいることを紹介した。

 大野知事は「農業従事者の高齢化が進み、人口減少社会になっても力強い農業の構築に向け、ロボット技術やスマート農業への転換に対応できる人材育成が望まれている。今後も地域との絆を深め、新しい時代をリードする人材育成を期待する」と祝った。

 卒業生でもある古谷町長は「教職員と生徒が、日本の食と緑の未来を担っているといっても過言ではない」と母校の一層の発展を願った。生徒会会長で食品流通課3年生の木村綾萌さんは「先輩の代から連綿と受け継がれてきたのは、農業の知識や技術、情熱。先輩から受け取ったバトンを次代へとつないでいく責任感を持ちこれからの学校生活を過ごしていく」と決意を語った。

 その後、気象予報士の平井信行氏が「気候変動とその対策」と題し記念講演。在校生代表で食品研究同好会メンバーが、日光街道沿いの活性化を目指したグルメマップの制作活動の研究発表を行った。

 同校は、1921年に地域農業の振興発展のため、郡立杉戸農業学校として開校。23年、県に移管後、48年に県立杉戸高等家政女学校と合併。74年に現在地に移転した。現在、男女共学の公立農業高校として生物生産技術科など6学科を設置している。これまでに約2万500人の生徒が卒業し、農業経営者のほか政治、経済、教育など各分野で活躍している。

 

=埼玉新聞2021年11月11日付け6面掲載=

 

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