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熊谷からJリーグ狙う 社会人クラブが県2部へ

30年目標「一歩ずつ」

 熊谷市にJリーグ入りを目指している社会人サッカークラブ「KUMAGAYA CITY FC」がある。6日に行われた県社会人3部リーグ(北部)で優勝し、同2部への昇格を決めた。目標は2030年のJリーグ入りで、関係者たちは「日本一暑い熊谷をサッカーで熱く盛り上げたい」と意気込んでいる。

 

「KUMAGAYA CITY FC」のメンバー(提供)

 

■雪辱の再昇格

 チームは前身のクラブ「GOODNESS SC」として13年に発足。熊谷市3部リーグからスタートし、徐々にカテゴリーを上げていった。16年に県社会人3部リーグを無敗で優勝したが、翌年の同2部ではレベルの高さや違いに圧倒されて1年で3部に降格。今年4月にはチーム名やクラブエンブレムを変更し、再スタートを切った。
 チームメンバーは30人で、学生と社会人が半分ずつを占める。練習は毎週金曜の夜に市内のスポーツグラウンドで2時間実施している。今季から県立熊谷西高校サッカー部顧問の野本桂佑教諭(32)が監督に就任。同校サッカー部と一緒に練習したり、行田市の観光農園を手伝ったりして、地域活動も実践している。
 クラブは今季11試合を戦い、8勝1敗2引き分けで優勝を決め、2部昇格を手にした。今季は守備陣が奮闘し、シーズンを通して3失点しかしなかった。野本監督は「今年は守備で約束事を守れた。来年はステージが上がって厳しくなると思うが、上位を目指していきたい」と力を込める。

 

■県北の受け皿

 クラブ代表の杉山大樹さん(34)は小学校時代に江南南サッカー少年団、中学校時代はクマガヤSCでサッカーに励んだ。大学卒業後、自動認識技術関連メーカーに入社。海外勤務も経験後、故郷に戻り、創設から携わったクラブの代表に。昨年7月にLIBERANOVAを創業し、クラブ運営のほか、アパレルブランドなども展開している。
 今季所属していた県3部はJ1から数えると「9部」で、Jリーグ入りは県リーグの上に関東リーグ(1、2部)やJFLがあり、決して簡単なことではない。杉山さんは「長い道のりだが、熊谷からJリーグチームを出したいという強い思いを持っている。強いだけでなく、地域に愛されるチームとなり、県北でサッカーを行う子どもたちの受け皿にもなっていきたい」。

 

■熱中都市  

 熊谷は活動拠点を置くスポーツチームが既に存在。ラグビーチームの「埼玉パナソニックワイルドナイツ」や「アルカス熊谷」、熊谷さくら運動公園野球場をホームスタジアムとする野球チーム「埼玉武蔵ヒートベアーズ」、熊谷スポーツ文化公園陸上競技場をホームスタジアムとする女子サッカーチーム「ちふれASエルフェン埼玉」がある。
 市は、市民一人一人が自分にふさわしいスタイルでスポーツに熱中することを通して、誰もが生涯にわたって健康で元気に暮らせるまちづくりを目指して「スポーツ熱中都市」を宣言している。杉山さんは「熊谷では小中学校で強いサッカーチームもあり、ほかのスポーツチームとも共存できると思う。一歩ずつ着実に頑張っていきたい」と話していた。

インタビューに答える杉山大樹さん=熊谷市内

 

=埼玉新聞2022年11月13日付け1面掲載=

 

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