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第9回 『偏差値』って何?(その4)偏差値の計算の仕方②

 前回から引き続き、偏差値の計算の仕方です。ここで改めて偏差値の計算式を記します。

 標準偏差とは、得点のばらつきを数値化したものであることは前に述べましたが、これは、「分散」の正の平方根です。その「分散」は、それぞれの得点と平均点との差の2乗を計算し、その値の平均をとったものです。模擬テストBの場合で具体的に計算すると以下のようになります。

 Bの分散={(10-60)2+(100-60)2+(90-60)2+(50-60)2+(60-60)2+(70-60)2+(30-60)2+(80-60)2+(20-60)2+(90-60)2}÷10=900

 標準偏差=分散の正の平方根=√900 = 30となります。

 ばらつきが大きいと、この数値が大きくなることはわかりますね。平均点から離れた数値でも、それほど特異な数値ではないということです。逆に、多くの数値が平均点付近でばらつきが小さい場合は、平均点から離れた数値が特異なものとなります。この場合の偏差値は前のものに比べて50から大きく離れることになります。

 よく、偏差値の最高値や最低値はいくつか、という質問を受けることがあります。一般的な模試の場合は、およそ25~75程度になることが多いのですが、計算の理論上、いくらでも大きく(小さく)なることがありえます。

 極端な例で示しましょう。

 100人が100点満点の試験を受けて、99人が10点、1人が100点の場合(こんなことはまずありませんが・・・)

 平均=10.9点、標準偏差=約8.95となります。このとき、100点の偏差値は149で、10 点の偏差値は49となります。

 もし、100人ではなく、1000人、10000人というように、母集団が大きくなった状態で、1 人だけ100点となれば標準偏差はさらに小さくなり、偏差値はより大きな値となります。

 上記は極端な例ですが、偏差値が100を超える程度の模試は、希ではありますが実際に存在します。(by スクール21入試情報センター)

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