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高校で成長 プロへーロッテ育成1位 浦和麗明・吉川

 控え投手だった中学時代から、高校で著しい成長を遂げプロ野球へ。漫画のような物語の主役となった浦和麗明高のエース吉川悠斗(17)は、ロッテから育成ドラフト1位で指名を受け、入団が内定。同校初のプロ野球選手が誕生した。

 

浦和麗明高初のプロ野球選手として活躍を誓った吉川悠斗投手=11月24日、さいたま市浦和区の同校グラウンド

 

 吉川市出身。中学時代に所属していた地元の吉川美南ボーイズでは、5番手で登板機会はわずかだった。野球より勉強を重視し「伸び伸びと自分のペースで野球をやりたい」と2018年創部の同校に進学した。
 入学当初は、身長180㌢、体重60㌔と細身の体格。だが、しなりのある投球を見た佐藤監督は「いいものを持っていた」と可能性を感じた。吉川は毎日、夕飯に茶碗3杯分の米を食べるなど体重を増やすトレーニングを実施。「体が使えるようになった」と少しずつ結果が出てきた。
 初登板した1年秋の南部地区大会1回戦の浦和戦で1イニングを3人で抑え、自信を手にした。すると、2年春の同大会の浦和学院戦は1―4で敗れたものの、五回まで無安打無失点と好投した。この試合をきっかけに「『これからいける』という気持ちになった」と自信から確信に変わった。同年秋には、同校初の秋季県大会に出場し、8強入りに貢献した。
 入学当初は「野球は高校まで」と考えていたが、3年の春に「プロ野球選手になれるのは数少ない。可能性があるなら」とプロ野球が明確な目標となり、貪欲に結果を求めるようになった。3年夏の埼玉大会2回戦の秩父農工科戦で1試合最多奪三振記録に並ぶ20奪三振を記録し、プロのスカウトの目に留まる存在になった。
 背番号は「127」。育成からのスタートだが、球界のエース・千賀(ソフトバンク)ら育成からのし上がった選手は多数。「プロセスを描いて少しずつ、目標を立ててクリアしていけばいい」と吉川の言葉から自信がにじみ出る。プロの世界でどんなストーリーを描くのか、目が離せない。

 

=埼玉新聞2022年12月10日付け7面掲載=

 

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