埼玉新聞社 高校受験ナビ

高校受験ナビ「学校レポート」【私立編】- 開智高等学校(高等部)

2023年11月21日配信

開智高等学校(高等部)の魅力を解説

 学校選びに迷っている受験生の皆さんに、確かな取材に基づいて最新の情報をお届けする“高校受験ナビ「学校レポート」”。

 今回は、進学指導に定評があり、埼玉県を代表する私立進学校の一つとして知られる開智高等学校(開智高等部)を紹介します。

 

◆高校から入れる「開智」

 学校法人開智学園は小学校から大学まで首都圏を中心に9つの学校を運営しています(令和6年度には所沢市に開智所沢小学校と開智所沢中等教育学校が開設されます)。

 その中で、埼玉県の高校受験生に関係が深いのは、今回紹介する開智高校(さいたま市)と開智未来高校(加須市)でしょう。

 開智高校は、「開智・高等部」と呼ばれることがあります。同じ敷地内にある「開智中学高等学校」と区別するためです。「開智中学高等学校」は中高一貫教育を行う学校であり、高校募集は実施していません。したがって、高校から入れるのは「開智・高等部」だけです。 「開智・高等部」と「開智中学高等学校(中高一貫)」の二つの学校は、それぞれ独立した学校として運営されています。ですから、授業や行事や部活動は、別々に行われています。  

 埼玉県内の多くの私立高校は附属中学校を併設していますが、高校からの募集も行っています。そして、高校からの入学生(高入生)と、併設中学校からの入学生(内進生)は、クラスや授業が別々であったとしても、行事や部活動では一緒に活動するのが一般的です。その点、開智・高等部は、高入生だけの学校ですから、内進生を気にすることはありません。全員が同じスタートラインからの出発となります。

(※注:部活に関しては基本別々の活動になりますが、高等部・中高一貫部どちらかにしかない部もあり、その場合は高等部の部活に一貫生が、また、一貫部の部活に高入生が加入することもできるようです)

 

◆高等部だけでも進学実績は県下トップレベル

 開智・高等部は埼玉県トップレベルの進学校です。

 まず令和5年3月の主な大学合格実績を見てみましょう。

  • 国公立合格数  56人(うち現役54人)

 ※防衛医科大学校など準大学は含まない人数です

  • 早慶上智合格数 72人(うち現役69人)
  • MARCH合格数  268人(うち現役241人)

 国公立では東大1人をはじめ、京都大1人、東京工業大2人、北海道大3人、東北大3人など難関国立に合格者を出しています(いずれも現役)。また、東北大(医)をはじめとする医学部医学科に26人(うち現役18人)、慶応大(薬)をはじめとする薬学部に23人(うち現役21人)など医歯薬系にも強みを発揮しています。

 これらの数字から分かるように、単に難関大学への合格者数が多いというだけでなく、それらのほとんどが現役によりもたらされているのが同校の大きな特色です。

 さらに学校規模にも注目です。たとえば公立上位進学校はほとんどが1学年360人規模です。私立上位進学校はそれよりもさらに多く500人を超える規模の場合もあります。それに対し同校は定員240人の中規模校です(令和5年3月卒業生は233人)。

 決して多いとは言えない人数でこれだけの合格実績を上げている点も同校の実力の証明と言えるでしょう

 

◆能力別3コース制

 同校は令和5年度入学生からコースの改編を行いました。

 Tコース

 S1コース

 S2コース

 以前は4コースでしたが3コースに集約されました。

 学校によっては、コースの違いは教育課程(カリキュラム)の違いになりますが、開智・高等部では「T」でも「S」でもベースは変わりません。つまり、どの教科・科目を週何時間学ぶかについてコースによる違いはありません。ただし、「T」「S1」「S2」は、いわゆる能力別編成となっています(入試成績及びクラス編成テストの結果による)。

 コース制を取るのは1年生までで、2年生からは「文系」と「理系」に再編成されます。「系」は本人の希望によりますが、ここでも能力別クラス編成は継続されます。

 3年生になると、「系」と能力別クラス編成は継続しますが、進学希望に合わせてⅠ類(国公立受験型カリキュラム)とⅡ類(私立専願型カリキュラム)という分類が加わります。

 一見複雑に見えるかもしれませんが、実はシンプルです。つまり、1年生では全員共通、2年生から「文系」「理系」に分かれ、3年生になるとさらに国公立型と私立型に分かれるという形です。ただし、前述したように一貫して能力別クラス編成が採用されます。

 クラス編成は2年進級時、3年進級時に前年までの成績により見直されるので、努力次第で上位クラスに移ることも可能です。が、それは同時に、努力を怠ると下位クラスに下がるということですから、そのあたりが厳しいところではあります。

 

◆自由な校風

 このように学習面では厳しさのある学校ですが、その分だけフォロー体制も充実しています。学習の柱を「授業」と「独習」においているので、年中無休の自習室を完備しています。校内のさまざまな場所にフリースペースがあります。先生にすぐに質問できるように、職員室にも情報スペース(学習コーナー)を設けています。もちろん放課後講座や長期休業中の講習も万全で、「予備校無しの現役合格」を後押ししています。また、生徒面談や三者面談も頻繁に行われます。

 

 生徒の自主性が最大限に重んじられているのもこの学校の大きな特色です。文化祭や体育祭をはじめとする学校行事は全て生徒が中心になって運営されます。卒業生からも「自主性や主体性を伸ばせる学校」という声が多く寄せられています。

 学業に対する厳しさと、自由な学校生活という二つの側面を持つ開智・高等部の魅力をぜひ直接訪れて体感してみてください。

 

=「埼玉新聞社 高校受験ナビ」オリジナル記事=

 

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