埼玉新聞社 高校受験ナビ

全国高校サッカー 西武台高校 初戦敗退

西武台 遠いゴール 三重に0-1

 

第100回全国高校サッカー選手権第2日は29日、NACK5スタジアム大宮などで1回戦15試合が行われ、埼玉代表で11大会ぶり4度目出場の西武台は三重に0―1で敗れた。

 西武台は前半9分に三重のカウンター攻撃から大地山にヘディングシュートを決められ、先制点を許した。西武台は後半11分に和田、同ロスタイムには丸山の決定機からのシュートなど、相手の3倍以上の16本のシュートを放ったが最後までゴールネットを揺らすことができず、前回出場した第89回大会以来となる勝利を挙げることはできなかった。

 

西武台―三重 後半11分、西武台の和田(中央)がシュートを放つもGKに防がれる=29日、NACK5スタジアム大宮

 

数で圧倒も1点重く

 1点が重くのし掛かった。西武台の放ったシュートは16本で、三重(5本)の3倍以上。数では圧倒したが、ゴールネットを揺らす場面は訪れなかった。守屋監督は「悔しい。勝たせてあげられなかったという腹立たしさがある」と敗戦と向き合った。

 前半9分、相手ペナルティーエリア付近でセカンドボールを失うと、カウンターを食らい、失点を許した。埼玉大会では5試合で1失点の堅守を誇っただけに、思わぬ展開。全試合で先制してきた西武台のスタイルは出はなをくじかれたが、積極的な姿勢は貫いた。

 ボール保持率は高く、多くの時間帯を攻撃に費やした。後半11分、相手DFの裏を突いた和田のシュートは三重のGK田端が好セーブ。同ロスタイム、岡田の浮き球パスに丸山が右足で反応したシュートはゴール左に流れ、ほぼ正面から安木が振り抜いた最後のFKも枠を捉えられず、万事休した。

 指揮官は「押し込む時間帯が長かったことが、逆にわれわれを苦しめた。セカンドボールの処理や精度、工夫の足りなさを痛感した」と振り返る。前回出場した第89回大会の8強超えを目指してきたが、1回戦で無念の結果に終わった。

 だが、6月の関東高校大会制覇を皮切りに、11年ぶりの選手権埼玉大会優勝、その後に決めたU―18プリンスリーグ関東1部参入など、確かな足跡は残した。今季の戦いは、西武台の新たな礎となる。

西武台―三重 後半ロスタイム、西武台・岡田のパスに丸山(8)が飛び込むもわずかに外れる。左から4人目は安木、(10)は市川

全国の厳しさ知る 主将・原田

 「今日のために3年間やってきたと言っても過言ではない。家族やスタッフに結果で恩返ししたかったが、全国の厳しさを知った」。西武台主将の原田は悔しさをにじませながら、一言一言を発した。

 キックオフ前の整列時、原田の手には背番号9のユニホームが握られていた。細田が着たはずのユニホーム。攻撃の一角を担ってきた細田に大会直前、肺気胸が見つかり、登録メンバーから外れた。「上に行けば(細田が)1試合でも帯同できる」と信じ、友の分まで戦った一戦だった。

 今季の西武台はけがで主力を欠いたときも他のメンバーが奮起し、チームとして結果を残してきた。原田の「1、2年にはここまできた景色を忘れてほしくない」という言葉には、200人近い部員をまとめてきた主将としての思いがこもっていた。

 

 

 

=埼玉新聞2021年12月30日付け1面および9面掲載=

 

関連記事

高校サッカー埼玉大会決勝-西武台11年ぶり栄冠

 

サイト内の

西武台高校の基本情報は→こちら

カテゴリー

よく読まれている記事

最新の記事

TOP