高校理科教師を南アフリカに長期派遣
覚書を締結した高田直芳県教育長(右)と田中泉所長=23日、県庁
国際協力機構東京センター(JICA東京)と県教育委員会は23日、県立高校の教員1人を2024年度から南アフリカに長期派遣する覚書を締結した。期間は2年間で、現地の理科教育の改善を目指し、現地教員への研修や子どもの指導に当たる。16年度に開始した夏休みの短期派遣も継続し、都道府県教育委員会のレベルでは全国最大規模の事業となるという。
教員は健康で指導能力があり40歳以下であることが条件で、県教委は来月にも各学校に通知し、募集する。県教委の推薦を受けてJICAが決定し、現地での生活や活動の費用もJICAが負担する。
短期では教員3人が夏休み期間に約1カ月滞在し、南アフリカの小中高校生を対象とした理科実験のワークショップなどに取り組む。16年以来、サポート役の英語教員を含め、10人が派遣されてきたという。
覚書締結式でJICA東京の田中泉所長は「県教委との緊密な関係は全国トップで、埼玉モデルとして広げたいと考えている」と話し、「派遣は教員本人にとっても日本の多文化共生にも生かされる得難い経験となる」と期待を寄せた。高田直芳県教育長は「南アフリカの子どもたちの理科への興味関心を高めるとともに、教員の資質向上にも有益だ」と歓迎した。
=埼玉新聞2023年3月27日付け2面掲載=
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