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第105回高校野球埼玉大会【シード16校 戦力分析・3】

Bシード 市川越

大敗から決意新たに

積極性と長打力が持ち味の市川越の1番南

 

 今春は県4強入りも準決勝で浦和学院に五回コールド負け。2日間のミーティングを経て全員が甲子園を目指す決意を新たにした。昨夏のスタメンが5人残り、「経験があるから落ち着いて試合に臨める」と室井監督。経験豊富な打線が打ち勝つ野球にまい進する。
 打線の中心は1年の秋からスタメンを張る1番南と3番畠山。冬場に成長を遂げたつなぎ役の2番嘉弥真との上位打線でチャンスをつくる。4番田島、5番西村、6番鈴木は勝負強い。7番霜田、8番深谷の粘り強い打撃にも注目だ。
 投手の中心はエースの左腕西見。最速は118㌔だが、内角を突く投球と緩急を効果的に織り交ぜ相手打線を翻弄(ほんろう)する。2番手以降の今野、小田、曽根が西見を支える総力戦でBシードの意地を見せつける。

 

 

Cシード 西武台

打力を武器に壁破る

制球力を武器に打たせて取る西武台の右腕大山

 

 鍛え上げた打力で主導権を握りたい。チームは昨春から4季連続で準々決勝の壁に阻まれている。初の夏4強入り、そして甲子園出場を目指す河野監督は「好機でかえせるかが大事になってくる」とこの夏、勝負強く壁を打ち破るつもりだ。
 打線の中心は高校通算37本塁打の主将金田。逆方向にも打ち返せる長打力を存分に発揮したい。神杉、金田、太田の1~3番は機動力でチャンスメークできる。冬の練習で1日千回以上バットを振り込んで底上げした切れ目ない打線で得点を重ねたい。 昨秋の敗戦から整備してきた投手陣は3年生が軸。昨夏を経験する右腕大山が緩急で打ち取り、春から登板する左腕大野は内角を強気に攻める投球が持ち味。夏の連戦で、中、藤田らがどこまで抑えられるかが鍵を握る。

 

Dシード 春日部東

選手の特長を生かす

 足の速さなど、選手の特長を伸ばすことに特化し「ゼロになりにくいチーム」を掲げてきた。長野監督は「走りには自信がある。選手たちは、分かっていても走るぞ、という気持ちを持っている」と次の塁を狙う意識が高い。
 1番から9番まで、どこからでも走れる機動力を駆使し、1点を大事に奪っていく。打の中心はクリーンアップ。器用に状況に応じた打撃をこなせる3番知久が打線の象徴となる。5番を任されそうな矢治は長打が期待でき、チャンスで回したい。
 制球力抜群の右腕一郎丸が背番号1を背負う。130㌔台後半の直球と変化球にまとまりがあり、自ら崩れることはない。投げっぷりが良い矢治は、思い切った腕の振りでスライダー、カーブの切れが抜群だ。

 

 

Dシード 山村学園

走塁武器の全員野球

 粘り強さを攻守で発揮し、接戦をものにしたい。昨年、初の秋季関東大会進出で手にした自信は大きい。岡野監督は「どうしても甲子園に行きたい。うちにも十分にチャンスがある」と本番に向けて気持ちを高める。
 投手は西川と中嶋の2年左腕コンビを軸に、左腕川村、右腕川窪ら3年も準備万全。西川は最速140㌔を超え、制球力も安定した。中嶋は鋭い変化球が光り、けん制も得意とする。投手5、6人で試合をつくるマシンガン継投も特徴だ。
 課題の打撃は冬の成果を発揮したい。3番高野は強いスイングが持ち味。主将の2番今岡は走攻守で要となる。1年ながら出塁率の高い1番横田も面白い存在だ。9人全員が打って送ってかえすことを目指す。実戦練習を重ね鍛えた走塁をここ一番で生かしたい。

 

=埼玉新聞2023年7月5日付け7面掲載=

 

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